音の日記7


私のアパートの騒音と振動(98.11.9.)


私は以前、寮に住んでいたのですが、ついにアパートに引っ越しました。家具付きスタジオ(台所と寝室がアコーディオンカーテンで区切られている)で300ドルは、大変お得な物件です。音楽学部のビルまでも2ブロックしかないというのが、これまた魅力的です。

しかし、このアパート重大な欠点があるんです。それは天井が薄いということ。どういうことかというと、上にすんでいる人が歩くたびにズンズンという振動が伝わってくるということなんです。

ステレオの騒音ならば、いくらでも文句を付ければ静かにしてくれるので問題ないのですが、ただ普通に歩くだけでズンズンいうのに文句を付けるのはちょっと理不尽です。まさか鳥のように飛んでくれ、とも言えませんし。

ステレオがあまりにもうるさい時が一度ありまして、その時はたまたま管理人さんがいたので、一緒に文句を言いにいきました。それでそれからは静かにステレオをならしてくれているのですが、なにぶん豪華なステレオなので低音が効くのでしょう。ズンズンというベースラインだけがいたずらに聞こえてきます。

ちょうど私のベッドにあたる部分に上の住人(ギリシャ語を話すサイプラス出身。結構お金持ちか?)は勉強机を置いておりまして、椅子はキャスター付きの豪華なもの。これは椅子を移動させるときキャスターなしだと露骨に床を引きずるので物凄い雑音がでるはずなので、キャスターのように滑らすのだから、まだいいといえばいいのかもしれません。

それでもやっぱりキャスターが床に転がる音は大したもので、「ゴーゴー」と増幅された音が私の所に伝わってきます。さらに座ったあとも、背持たれが前後に動くたびにゴゴンという音がするのですが、これもかなり増幅されて伝わってきます。

一度上の住人のところに遊びにいったことがありまして、とてもよくもてなしてもらいました。みたところ、特に騒音をわざと出そうとするところもなく、普通に歩き、普通に椅子に座り、普通に背持たれに寄りかかり、普通にテレビをみたりステレオを聴いています。ぜんぜんうるさくもなんともありません。

しかし、なぜか私の所にいると、つねに聞こえるのはズンズンという歩く音、ドンという座る音、ゴンという背持たれの音、ゴーゴーというキャスターの音です。なかなかものすごい打楽器群を身近に置いているようなものです。

実は上の住人もやはりさらに上の住人から同じような現象を体験しているらしく、どうやら、この当たり、家賃が安くなっている原因なのかもしれません。

引っ越したらいいじゃないか、と言われればそれまでなのですが、家具付き2ブロックの距離で300ドルは捨て難い。そもそもこの辺には家具付きがなく、家賃も450ドル前後なのです。家具をレンタルするのもバカバカしいし、まだ今はひたすら論文だけだからいいか、と我慢することにしました。

問題は上の住人が夜遅くまで勉強(?)していること。昨日も5時までゴーゴー、ゴン、という音が聞こえていました。最近はあまり気にせず寝られるようになったのですが、ふと朝めざめてみたら、例の音、時計をみたら5時、ということで、いったいこの男、何をしているのだろうな、と思う次第です。生物学をやっているとは言っていましたが。夜中にアレしてるんなら、隣の寝室にいるはずだし…。



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