音の日記11
音の雑文集
04.6.25.アップロード


03.10.2.

先日テレビを見ていたら、富山のパトカーが街をパトロールする際、メロディーを流すというニュースが伝えられていた。「ミ〜ソ〜ド〜」という音程で 柔らかい音色。しかし電子音だった。このメロディーは地元の大学の先生に相談して作ったという(確か音楽でなくて、心理学だったような)。ニュースでは、 そのメロディーを流すパトカーが小学校を訪れ、子供たちやその親の反応を伺っていた。大方の反応は良かったようだ。

しかし私の家のまわりで、このようなパトカーがやってきたということは、いまだにない。なぜか多いのは救急車の音だ。近くの交差点で右に曲がると中 央病院につながる道路になるので、「右に曲がります」という声が聴こえる。いつも同じ女性の声。おそらくサンプリングしてあるのだろう。東京にいた時は、 込んだ交差点で、拡声器から叫ぶ声が聞こえたが、おそらく富山ではそこまで必要ないということなのだろう。


03.10.3.

最近いかにもサウンドスケープ論を取り入れたという音を耳にするようになった。その一つが市民プールにあるトイレ。音楽なんてなくても全然構わない のに、ニューエイジ風(たぶん最近流行の「癒し」系?)の音楽がスピーカーから流れ出る。私などは、つい直感的に「うさんくさい」などと考えてしまう。中 途半端に物事を知っている恐ろしさというべきか。まじめにこのような試みをされている方には、申し訳ないとおもうのであるが。


04.1.31.

今朝の『読売新聞』の富山版に昨年の10月に書いた、富山のパトカーの「パトロール音」導入のその後についての報告がある。なんとこれが全国的展開を見せているというのである。現在富山県内では17警察署で採用されているそうだが、埼玉ではすでに施行中、北海道でも使う予定だという。

富山で使われているパトロール音は、ゆったりとした「ミ、ソ、ド」という音のようだが、これは地域によって違うのだそうで、千葉県警などでは「ソドミ、ラドラ、ファラファ、ソラシ」と長いメロディーとなっているようだ。この千葉県警のメロディーの終わり方は富山の、いかにも西洋音階の三和音とは違うようだが、それまではいかにも西洋風。不思議だ。埼玉県警は「ドソレ」だそうで、これもやや西洋和声では安定感に欠ける音の配置法ということになるようだ。実際の音は聴いていないので、はっきりとは分からないのだが。

ところで先日富山市立図書館で、富山の音風景 を集めたCDをみつけた。「きれいな音風景」を集めることはサウンドスケープの試みの一つとしては重要ではあるが、一方では、現実に今「垂れ流されている」音をどうすべきかを考えることも必要ではないだろうか。私個人としては、このようなCDを聴く人よりも、おそらくCDを制作した人の方が、ずっと音風景について敏感に考えるようになったのではないかと邪推しているのだが、どうだろうか。

そういえば先週病院において、暖房の音が気になったことがあった。ファンヒーターの音というのは、私の部屋にあるのもそうなのだが、結構音がするものである。電気暖房の場合は全く音がしない。富山のように寒い地域になると、電気暖房は力や弱く電気代もかかるというのが広く知られているようだが、音風景的には、おそらく電気暖房が「勝ち」なのだと思う。


04.6.25.

JR東日本の駅で聞かれる、電車の扉の締まる際になる音楽を集めたoriori -Station館-を訪れた。ここはMIDIではなく、駅で実際に録音したものであるのがすごい。新宿駅の山手線に至っては駅員のアナウンスまでが入っていて、ものすごく臨場感があり、おもわす吹き出してしまったほどだ。先日名古屋へ行ったが、地下鉄ばかり利用していたので、こういう「発車メロディ」が聴けなかったのは残念(JRの方は使っているのだろうか?)。金沢は確か和風な音が入っていたように記憶している。富山は以前《こきりこ節》をモチーフにしたものを使っていたが、評判が悪かったのか、最近はもっと単旋律のものに切り替えた。不思議なことに、最後の音はクレッシェンドして終わるので、若干趣味が悪いように聴こえる。あまり通常の楽器演奏ではやらないことだからだ。


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