さて、探していたエアノモマックスですが、ちょうど前のデザインが製造中止になり、新しいデザインのがもうすぐ発売されるとのことでした。しかしここまでたどり着くのが大変で、エアマックスというのは、実にたくさんあるんですね。どこの競技別コーナーにいっても、この名前のスニーカーはあるんです。訳が分からなくなって、とりあえず店員さんに聞いてみたら、詳しい他の店員さんのところに案内してもらって、ようやく分かったのでした。

で、直販店にないなら、どこにもないだろうな、とその時はあきらめました。

それからしばらくエアノモマックスのことは忘れていたのですが、去年の11月、突然日本から母親の来米。私の住む田舎タラハッシーには観光地がなく、連れていくところといえば、ショッピングセンターだったのでした。そこで思い出したのが妹のスニーカー。母親がお土産として持ち帰るものを探そうという発想からでした。「こんな田舎じゃ、いいスニーカーもないかもなぁ」と思いながらも、以前私がスニーカーを買った店を訪ねました。

とりあえずアトランタでやったようにエア・マックスという名のスニーカーを探しはじめたのですが、ぼ〜っと眺めているうちに、なかなか素敵な濃い目のブルーのが目に止まりました。おもわずさっと取り上げると、横からお店の人がすかさず、「あ〜、ノモモデルだねぇ〜」とかなんとか言ってくるではありませんか。え、本当〜？　と思いながら靴底を見ると、たしかに野球の球のイラストがナイキのロゴにかぶさっている。タラハッッシーにはプロの球団がなく（マイアミにありますが）、しかもなんでロスの〜？　と思ったのですが、ま、日本人の私としては、野茂と聞くとなぜかとても感慨深いものも感じまして（アメリカ国内の知名度からすれば、オザワを抜いてますよね）、100ドルもするそのスニーカーをわき目も振らずに買ってしまいました。

でも正直いって、エアマックスのデザイン、私はちょっとごっつくてあまり好きじゃないんです。だから私の分は買いませんでした。

で、母親が日本に持ち帰ったそのスニーカー、親戚のハンドバックなどのもろもろのお土産よりもはるかに高い買い物になってしまったのですが、受け取った妹は当然大喜び。「まだ日本にないモデルだ〜」とはしゃいでました。なるほど最新のものはやっぱりアメリカにあるんですね。しかし、その妹に日本での値段を聞いてびっくり。エア・マックスは２万６千円＊から＊なんですってね。私、日本でナイキのスニーカー買えません！

ところが話はこれで終わりません。数日前再び日本から妹の電話です。エアノモマックスをもう１組買ってきてくれと言うのです。そうか。あの靴を見て、欲しいって言う友達がいたのかな、と尋ねてみると、なんと、あの靴、有名タレントも同じのを履いていたんだそうで、それを見て貴重性？を感じたのか、彼女は「バックアップ」を買ってきて欲しいというのです。つまり一つは自分で履くために、もう一組は、履かずに保存しておく（眺める？）んだとかなんとか。

そういえば、履かない中古のナイキのスニーカーってのも日本にはあるそうですね。でも履かないで、いったいどうするの？

これ、アメリカのニュースでも話題になりました。なんでも日本人がロスアンゼルスの「のみの市」にやってきて、ナイキの履き古されたスニーカーを大量に買っていくんだそうです。しかもあまりにも売れるもんで、もともと10ドルくらいだったのが、今では150ドルにもなっているのだとか。しかしこれを日本に持っていけば値段は倍になるので、もとが取れるんですって。そのニュースでは、「アメリカ人でさえ、古い靴は不潔だといって履かないのに、清潔好きの日本人がどうしてそんな古いスニーカーを買っていくのか、誠に不思議である」と言ってました。なんだか納得。

妹には、そのほかカシオの腕時計Gショックというのも探すように頼まれています。でもこれはさすがに私の住んでいる所には売ってないです。これもプレミアがついたものは、10万円にもなるんだそうな。カシオなんて、こっちでは安い時計というイメージがあるんだけど。よく分からないなぁ、日本って。

それとも、私が日本人でなくなったんでしょうか？　教えてください。