日本人学生会の会長代理を務めているため、最近メールや電話がかかったりしている。というのも、新学期が近づいているからだ。

その一つは、留学を世話する日本の業者だった。何でも今度来る学生が寮に入るまでの仮の住まい（ホテルなど）を紹介してほしいというのである。学生会というのは、どちらかというと、地元での日本文化紹介とか、パーティー開催などが中心なので、こういう情報を求められるとは、思ってもみなかった。しょうがないので、電話帳で調べた電話番号をあげておいた。しかし、最近ここもホテルの名前が変わったり、前あったホテルがなくなったりしているので、商工会議所に電話して確認するように頼んでおいた。多分それが一番確実だろう。その日本人は、今日、タラハシーに来るのだ。うまくいったのだろうか。

その他、新入生の人が、２人、町の様子・音楽の授業について聞いてきた。アメリカの生活が初めての人たちだ。いや〜、どうかな〜、この町の生活は。大都市から来ると、随分不便で退屈だろうなあ。

右の一番奥にある、親知らずを抜く（wisdom teethというそうだが、日本語にも「知歯」「智歯」という言い方があるそうだ）。どうやら欠けていたらしく、後々問題になるとのことらしい。

友人から、親知らずを抜くのは痛いと聞いていたので、ちょっとドキドキしていたが、麻酔もかかっていたし、抜歯自体は１分くらいで終わってしまってびっくり（痛かったのは、歯や歯ぐきではなくて、歯を抜いている間、器材がこすられている唇であった。なにしろ奥にあるものをいじらなければならないので、口を開けるのも楽じゃない。でも、人によっては全身麻酔をするらしい。帰りは付き添いに車を運転してもらわなきゃならないし、料金が４倍近くかかる）。あまりに呆気なさに、これで140ドルもとるものなのか、いい職業だなあ、などとも思ってしまう（作業中おしゃべりしてたし。あれはわざと？）。

でも、その後の出血は結構すごいので、ちょっと驚き。ガーゼを１時間くらいずつ３回取り替えたけど、血がべっとりついているのだ。抜歯のあと、説明書をもらったけれど、こういうのは別に異常ではないらしい。病院に電話してみたけれど、受付の人が、大丈夫そうなことを言っていた。その30分後には、看護婦の人が電話を、向こうからかけてきた。「様子はどうですか？」　私は、痛みはそれほどでもないのだが、出血が続くのはどうしたものか、と聞いてみた。ずっとガーゼをあてて、それをぐっと噛み、出血を止めようとしていたのだが、看護婦によると、あえて空気を口内にいれて、血が固まるようにしたらどうか、というアドバイス。それに従った。たぶん血の方はまだしみ出ていたのかもしれないが、それからはあまり気にしなくなった。

しかし今度は、ちょっと痛みが気になってきた。一応処方箋で痛み止めをもらってきたので、それを持って、大学の保健センターへ。15ドルくらいの痛め止めは、どうやら効いたようで、その後は、特に問題はなかった。明日も出血するようだったら電話をするようにと、看護婦に言われたが、たぶん大丈夫ではないかと思う。

この抜歯、一応分類上は「手術」扱いになるのだそうだが、今回行った歯医者は、これ専門なのだそうである。先日は虫歯の進行してしまった歯の神経を殺す作業を専門の人にやってもらった。歯医者といっても、いろんな人がいるのだなあ。日本だとこういうのは、みんな一人でやっていたような気がするのだが。しかし、今日は、この歯の問題で、夜まで何もできなかった。

夜は論文のための、ノートとり（といっても、カードに切り替えたのだが）。

最近、中国帰還者連絡会のウェブサイトを読んでいる。アジア・太平洋戦争の歴史の中で、中国に渡り、戦争犯罪を犯すことになってしまった方たちが、その記憶を止めようと、詳細に事実を語る、感動のサイト。虐殺・強姦の描写は、あまりの生々しさに、思わず目を背けたくなってしまう。勇気をもってこれらの文章を書いた方々には、本当に頭が下がる。日本人はすぐ過去を忘れる、などとよく言われるが、そうではないことが、こういったサイトで証明されている。日本の国際的な地位回復のためにも、大きな貢献となるのではないだろうか。

教会の礼拝、参加者が少ないと見込んで、音楽を減らしたようだが、実際はいつもくらいの人数に。詩篇の部分を中世の聖歌のように歌で行う。歌詞の上に簡単な記号が付けられていて、そこで音の高さを変えることになっている。昔もこういう風に、即興的に歌われていたのかなあ、と考える。

オークション・サイトebayを覗いてみる。結構現代もののLPがあるので驚き。でも、随分高い値段がついているものもあるなあ。ラ・モンテ・ヤングがX Editionというところから出したLP、私は中古屋で60ドルで買ったのだが、もう100ドル以上になっている。しかも売り手の方は、そんな「安値」では売りたくないらしい。いくら欲しいんだろう？

公立図書館へ行ってくる。35セントで売っているレコードを３枚ほど購入。CNNビデオ「冷戦」を借りようかと思ったが、本がたくさんになったので、今回はやめることに。クリストフ・ヴォルフのバッハ新伝記が早速入っているのには驚き。The Rough Guideのオペラ編もあった。

今日は朝から、カードに、ノートとり。以前「音楽家のための作文」というクラスで紹介されてから、試している。細かい資料を多く扱い、またいろんな発想が浮かんでくるので、こういうカード式は便利と感ずるようになった。ストレートに進むようなトピックだと、かえってわずらわしくなるとは思うが。

明日は親知らずを抜歯をした歯医者に面会予定。今日は痛みも特になく、安定してきたのではないかと思う。15錠あった薬は、結局10錠飲んだことになるのだが、今日は一日、これを１錠も飲む必要がなかった。ただ、まだ歯の抜けた右側で噛むのが怖いので、明日、様子を聞いて見るつもりだ。