メモ帳3:CNN報道にみるアメリカの環境問題意識

(97.12.12)

京都で地球温暖化に関する会議が行われた。アメリカも二酸化炭素ガス削減に向けて大きく努力するように、迫られているようだ。しかし、今日12月11日のCNNの報道には少々怒りを覚えるところがあった。自分達の環境に対する関心を高めなければ公害はどうしようもならない、という口調はいいのだが、そのあとに続く報道がなぜか中国。中国はいまだに石炭を様々な方法で使っており、それが二酸化炭素増加につながあっているという主張だ。中国が石炭を使用していることは間違いないのだろうが、では世界で最も多く二酸化炭素を発しているのはどこの国なのかという疑問が湧き出てくる(もちろん、アメリカだ!)。しかもアメリカは最初、二酸化炭素ガス削減は、おそらく産業・経済に影響するからだろう、0を提示していたのだという。先進国で一番ガスをだしているアメリカがまず先頭を切らないと、いくら採択が日本で行われたといったって、ヨーロッパから白い目で見られるのは当り前ではないか? ニュースでも繰り返し言われるのは、経済に与える影響のことばかり。

さらに驚いたのは、日付が変わって12日の深夜のニュース。西海岸の公害が確かに進んでいるが、その一部は太平洋を渡って、中国や東京を含む(また中国。そんなに敵にしたいのかなぁ。)アジア諸国からも来ているのだ、と主張。まぁ大〜〜きな目でみれば、地球は丸いんですし、風向きの問題もあるでしょうから、言わんとしていることも分からないでもないですが、日本のニュースが家庭でできる二酸化炭素削減方法を繰り返し報道しているのに比べると、あまりにもお粗末だと思う。「自分達はもうこれが限界だ。それよりも発展途上国を何とかしてくれ」という態度だ。自分達の産業が発達した過程で発生し続けてきた公害に対する観点がすこぶる甘いと思う。アメリカの産業進展とそれにともなう公害問題を発展途上国が知らないはずはないのだ。だから彼らはお金で公害問題を解決する条項には反対したのではないか? 僕には至極当然に見える。アメリカは軍事で世界の警察になることはそろそろやめて、産業を発達させたいが公害が起きてしまうという発展途上国の技術援助でもした方がいいんじゃないのか? そうすれば、結果的に「軍事で勝てば関軍」として尊敬されるよりも、もっと深遠な国際友好関係ができるような気もするのだが。産業や経済がそれ程圧迫されるのなら、戦闘機の1つや2つつぶして、経済援助に回せばいいじゃないか。それとも派手好きなアメリカ人には、そういう地道なことはできないのだろうか。


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