メモ帳13:富山にて(2)

(1998.7.29)

床屋というのは髪を切るところ、と思っていませんか? いえいえ日本の床屋はもっといろんなことをしてくれますよ。だって髪を切ったあとは洗髪もしてくれるし、髭(ひげ)も剃ってくれるし、耳掻きやマッサージをしてくれるところも珍しくありません。

こんなことを言うのも、アメリカの床屋さんというのは、本当に切るだけだからなんです。ちゃんとした美容室に行けば別なんでしょうけれど(私は一度も行ったことがない)、普通は本当にハサミやバリカンで髪を切るだけなんですね。ですから、切った髪の毛のくずも頭の上に残っております。頭をさわるとその切った髪の毛がバサバサと落ちてきます。 ですから、家に帰ったら、真っ先に髪を洗わなければなりません。まったく面倒なことです。

髭も基本的には自分で剃ることになります。これについては、アメリカ人は当たり前とおもっているのでしょうか。

それにしてもアメリカの床屋さんというのは、下手くそなんです。フロリダ州では一応免許がいるそうですが、それにしても適当な切り方です。右と左の長さが揃ってないということもありました。それにバリカンを派手に使うこと。もう面倒くさいから使っているっていう感じです。いわゆるGI カットなんていうものがありますが、あれも、結局床屋さんが楽だからああいうのができたんじゃないかな、なんて邪推したくなってしまいます。

そんなアメリカの床屋で良いところといえば、せいぜい値段が安いということくらいでしょうか。私のいく、その切るだけの床屋は料金が6ドル50セントなんです。実は昨日富山の床屋に行って来たばかりなのですが、料金は3800円でした。私は単にカットだけなので、もっと込み入ったことをやると、さらにお金がかかるのでしょう。

でもやっぱり日本の床屋はすばらしいです。サービスが行き届いています。きちんと秩序だった一連の作業には、儀式的なものさえ、感じてしまいます。きっと理容師のための学校できちんと学んできたからなんでしょうね。本当に感心します。


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