メモ帳1:パナマ・シティ・ビーチ(3月9日)

3月8、9日と、タラハッシーから車で2時間程の所にある、パナマ・シティ・ビーチに行ってきた。地図的には、タラハッシーの西で、ほんの少し南寄りになる。

フロリダ州に2年以上もいながら、一度も海岸を見たことがなかった。去年の年末、タラハッシーから車で2時間のセント・オーガスティンの海岸にも行ってきたのだが、強い風と雨で、海を見ることなど出来なかったのだ。そこでパナマ・シティ・ビーチに着くや否や、田舎モノの私は白い砂をみただけでウキウキしてしまった。「おお、これが世の中、新婚旅行なんかで海外に行った人が感動する白砂か!(どういう比喩じゃ?!)」。思わず「甲子園の土」よろしく白砂をテイクアウトしたくなってしまう衝動に駆られた(恥ずかしいのでやらなかったが--日本人でやっている人が結構いるらしい)。

さすがに3月とはいえ、まだ水は冷たく、泳ぐことはできなかった。「慣れれば寒くないよ」と水につかっている数人が言う。でもどう考えても慣れる前に風邪を引くのは必定だった。仕方がないので、友人と素敵な海岸をゆっくりと散歩した。歩くには気温は最適だったし、絵葉書のような景色にすっかり感動してしまった。マリンブルーとは誰が名付けたか知らないが、まさに海の色にぴったり。空と海が一体となるというのは、こういうのを言うのだな、と思った。水上スキーやウインドサーフィンを楽しむ人達も多くいた。寒いだろうにと思ったが、それはそれで美しい景色のポイントの一つになっているのである。

MTVがロケにやってくるというので、全米やカナダから無数の若者が集まってきた。あるホテルでは、女の子相手に「ヒューヒュー」声が飛び交っていたり、ガンガンロックをステレオで鳴らしているのもいた(車で家からミニコンポを持ってきたらしい。お前らこんなきれいな海岸をそんなやかましい音楽で汚すな!)。最悪なのはいきなり白砂に向けて黄色いものをタレてる奴。お前なに考えとんじゃ!

時間も過ぎて日没近くになった。夕焼けと海岸という組み合わせのは、想像しただけでもロマンティックなものだが、やはり本物には勝てない。いつまでもその景色に浸っていたいと思ったけれども、やはりそれは許されないようだ。やはり美しいものは、はかないのものなのだろうか?

暗くなると、さすがに頭のほうは花よりダンゴになった。町には多くのレストランがあるが、僕の集団は、たまたま地元のガイドに載っていた「キャプテン・アンダーソン」という所に行った。最初にレストランにたどり着いたとき、みんなが思ったのは、「若者がいない!」だった。すかさず友人の一人が、「きっと高級なレストランなんだよ」と言った。確かに値段の高いのは20ドル前後にもなるが、取れたての魚がギリシャ風に味付けされ、絶品だった(アメリカで20ドルの食事というのは、かなりマレです、ハイ)。私の友人の女の子は、デザートを外食のメインイベントと考えているが、ここのレストランは、デザートメニューがないかわり、実物をもって選ばせるという憎いことをやってくれる。どう考えても二人分あるケーキをその子は頼んだ。お店の人が早速もってきてテーブルに置くとき、「さすがにこれ全部は無理よねぇ」などと、余計なことを言ってしまった。それに反応したのか、その友人、全部食べてしまった。最初からデザートのためのスペースは作ってあったのだ。それとも甘いものは入るところが違うという、アレなのか? 女性の方にお聞きしたいところだ。

夜は疲れて寝てしまったが、友人はディスコに行ったようだった。それにしても道が大混雑していて、すいていれば10分ばかりでたどり着くディスコに1時間半もかかったらしい。友人の一人(女性)は、ディスコにいた数人の男性と仲良く談笑したり踊ったりして、ご機嫌。もう一人の友人はその彼女と夜を楽しもうとしていただけに、寂しい思いをしたようだ。

悲劇は、翌日の朝にも訪れた。友人の男性の車のバッテリーがアガってしまったのだ。おいしい朝食を期待していた他のメンバーはがっかり。当の本人も申し分けなく思っていたが、まずはバッテリーを仕入れなければならない。ジャンプスタートをホテルの人に手伝ってもらって、早速ダウンタウンへ。ところがすぐにバッテリーを替えてくれるところがなかなかみつからず(4時間もかかると言われたとか)、こちらは心配するばかり。どうやら4軒ほど探したらしく、つかれた表情を見せていた。そんな訳で、完璧とはいかなかったが、おみやげのTシャツもかったし、学校から逃避するにはとてもよい休日のレジャーだった。また夏になったらいってみないな。


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