これは新潟県新津市にあるFM新津の番組「ドクターヨコサカのクラクラクラシック」において、1999年8月末に放送されたアメリカ音楽紹介番組収録(7月30日)のために用意されたメモです。
アメリカのクラシック音楽との出会い 1)吹奏楽をやっている関係で、アメリカの作曲家の作品に触れる機会が多かった。 楽器屋さんが売りに出している楽譜には、アメリカで出版されたものが多い。 2)ブラスの活躍するオーケストラが好きで、いろいろラジオを聞いていたが、偶然 ウィリアム・シューマンの<アメリカ祝典序曲>が演奏されていた(3月放送の番組で紹介) その他にも、バーバーやハリスの作品も演奏されていた。 ラジオのクラシック番組のおかげで、いろんな音楽を安く、数多く聴くことができた。 ライブ放送が特に好きだった。 中学のころから、エアチェックを始める。 3)大学で興味があったのでいろいろ図書館で本を探したが、日本語で書かれた本が なく、これは調べがいのある分野だと思った。 4)ドクター横坂の授業で、アメリカ音楽の発表をした。 とにかくアメリカのことをやりたかった。 5)留学 とにかくたくさんのアメリカ音楽を聴こうと決意。図書館やラジオ放送を積極的に利用。 レコード屋さんはとても小さいので、必要なCDはインターネットのCD屋を通して買っている。 アメリカのこと 1)言葉の問題 話すのも難しいが、まず聞くことに苦労した。英語の先生の英語よりも、ファースト フードの店員の英語の方が難しい。 映画やテレビがいい勉強になった。 2)食べ物などの習慣の違い 肉食で野菜不足になりがち。 ビタミン剤をとる人が多い(合理的発想?) 服装はラフでやりやすい。 温度や速度、重さなどの単位が違うので混乱した。 3)ボストン --英語学校。夜は結構暇になる。 --毎週末、コンサートに出かける。 メインはボストン交響楽団。チケットが、2400円くらい。公開リハーサルは800 円(東京は高すぎ) 4)フロリダ --大都市とはまるで違う環境。空港も森の中といった感じ。 --車がないと、どこに行くにも不便。アメリカで自動車免許を獲得。 2週間で獲得。料金は二千五百円 --寮(二人、家賃は一人3万円くらい)からアパート(一人暮し。家賃は3万3千 円)へ。 --大学が地域の文化をリードする存在。コンサートもほとんどが大学の施設で行われ る (教会もあるが) --多様な音楽が聞ける --オーケストラ、室内楽、オペラ、バロック・アンサンブル、ルネサンス・アンサン ブルなど --その他にも、様々なジャンルの音楽が楽しめる ジャズ・アンサンブル、ブルース、ゴスペル、インドネシアのガムラン音楽、アフリ カ・ドラム、サルサ、インドや中国音楽のアンサンブル、アンデス地方の音楽のアン サンブル --学生が活動の中心。 私もガムランやルネサンス・アンサンブルに参加 学生は1時間あまりのコンサートをすることが卒業するためには必要。 --授業は本当に忙しい。 一教科とると、一週間に2回か3回、学校に行くことになる。 授業の前に、教科書を60ページくらい読んでこないといけない。 講義の授業もあるが、ディスカッションも多い。自分の意見を求められる。 4)その他 --多民族国家をリアルに体験。 アメリカ人とは誰か、というのは本当に難しい。 白人は「純粋なアメリカ人」ではない。「多数派」であるだけである。 アジア人であることの自覚。日本人であることの自覚。 --「労働」に対する考え方の違い。 必要以上には働かない。 休暇は仕事にとって必要な存在。 アメリカ音楽の魅力 1)歴史的にそれほど長くない(250年)。 2)ヨーロッパのような大作曲家がいないので、「お宝発見」をする可能性がある。 3)自由な発想を助長する風土(フロンティア精神、開拓者、実証主義) 4)多様な音楽が身近にある(多民族国家ならでは) 5)自分たちの音楽を作るのには苦労している(ヨーロッパ音楽との関わり) クラシックの場合は特に、この問題がある。