Mr. Tの現代アメリカ音楽講座




2000年11月27日アップロード



これは新潟県新津市にあるFM新津の番組「ドクターヨコサカのクラクラクラシック」において、1999年8月末に放送されたアメリカ音楽紹介番組収録(7月30日)のために用意されたメモです。


アメリカのクラシック音楽との出会い
1)吹奏楽をやっている関係で、アメリカの作曲家の作品に触れる機会が多かった。
楽器屋さんが売りに出している楽譜には、アメリカで出版されたものが多い。

2)ブラスの活躍するオーケストラが好きで、いろいろラジオを聞いていたが、偶然
ウィリアム・シューマンの<アメリカ祝典序曲>が演奏されていた(3月放送の番組で紹介)
その他にも、バーバーやハリスの作品も演奏されていた。
  ラジオのクラシック番組のおかげで、いろんな音楽を安く、数多く聴くことができた。
  ライブ放送が特に好きだった。
  中学のころから、エアチェックを始める。

3)大学で興味があったのでいろいろ図書館で本を探したが、日本語で書かれた本が
なく、これは調べがいのある分野だと思った。

4)ドクター横坂の授業で、アメリカ音楽の発表をした。
とにかくアメリカのことをやりたかった。

5)留学
とにかくたくさんのアメリカ音楽を聴こうと決意。図書館やラジオ放送を積極的に利用。
レコード屋さんはとても小さいので、必要なCDはインターネットのCD屋を通して買っている。

アメリカのこと

1)言葉の問題
話すのも難しいが、まず聞くことに苦労した。英語の先生の英語よりも、ファースト
フードの店員の英語の方が難しい。
	映画やテレビがいい勉強になった。

2)食べ物などの習慣の違い
	肉食で野菜不足になりがち。
	ビタミン剤をとる人が多い(合理的発想?)
	服装はラフでやりやすい。
	温度や速度、重さなどの単位が違うので混乱した。

3)ボストン
 --英語学校。夜は結構暇になる。
 --毎週末、コンサートに出かける。
	メインはボストン交響楽団。チケットが、2400円くらい。公開リハーサルは800	
  円(東京は高すぎ)

4)フロリダ
 --大都市とはまるで違う環境。空港も森の中といった感じ。
 --車がないと、どこに行くにも不便。アメリカで自動車免許を獲得。
	2週間で獲得。料金は二千五百円
 --寮(二人、家賃は一人3万円くらい)からアパート(一人暮し。家賃は3万3千
円)へ。
 --大学が地域の文化をリードする存在。コンサートもほとんどが大学の施設で行われ
る (教会もあるが)
 --多様な音楽が聞ける
 --オーケストラ、室内楽、オペラ、バロック・アンサンブル、ルネサンス・アンサン
ブルなど
 --その他にも、様々なジャンルの音楽が楽しめる
ジャズ・アンサンブル、ブルース、ゴスペル、インドネシアのガムラン音楽、アフリ
カ・ドラム、サルサ、インドや中国音楽のアンサンブル、アンデス地方の音楽のアン
サンブル
 --学生が活動の中心。
 	私もガムランやルネサンス・アンサンブルに参加
	学生は1時間あまりのコンサートをすることが卒業するためには必要。
 --授業は本当に忙しい。
	一教科とると、一週間に2回か3回、学校に行くことになる。
	授業の前に、教科書を60ページくらい読んでこないといけない。
	講義の授業もあるが、ディスカッションも多い。自分の意見を求められる。

4)その他
 --多民族国家をリアルに体験。
	アメリカ人とは誰か、というのは本当に難しい。
	白人は「純粋なアメリカ人」ではない。「多数派」であるだけである。
	アジア人であることの自覚。日本人であることの自覚。
 --「労働」に対する考え方の違い。
	必要以上には働かない。
	休暇は仕事にとって必要な存在。

アメリカ音楽の魅力

1)歴史的にそれほど長くない(250年)。
2)ヨーロッパのような大作曲家がいないので、「お宝発見」をする可能性がある。
3)自由な発想を助長する風土(フロンティア精神、開拓者、実証主義)
4)多様な音楽が身近にある(多民族国家ならでは)
5)自分たちの音楽を作るのには苦労している(ヨーロッパ音楽との関わり)
	クラシックの場合は特に、この問題がある。


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