Dr. Tの現代アメリカ音楽講座



65

2005年1月30日アップロード


これは新潟県新津市にあるFM新津の番組「ドクターヨコサカのくらくらクラシック」において、2005年1月22日に放送されたアメリカ音楽紹介の原稿 です。
Kunzel, Down on the Farm[ここで音源] 効果音:農園の朝
[ここで音源] 藁の中の七面鳥/民謡(カーメン・ドラゴン編曲)/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc CD-80263(アルバム『Down on the Farm』)/演奏時間=3分30秒

みなさんこんにちは。谷口昭弘です。にぎやかに始まりましたが、これはみなさんよくご存じ、《藁の中の七面鳥》、演奏はエリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団でした。

今月の現代アメリカ音楽講座は、なんとなく懐かしいものを感ずるアメリカのクラシックを中心にお送りしたいと思います。最後まで、よろしくお付き合いください。

Ungar-Mason Harvest Homeさて、続いては、フィドル奏者ジェイ・アンガーと、ギターリストの奥さんモリー・メイソンによります楽しいカントリー風のアルバムから2曲お送りしましょう。まずは《干し草作り人のホーダウン》、ホーダウンというのは、どうやら西部開拓時代に生れたダンスで、今日スクエア・ダンスと呼ばれるものの一種です。続いては《農民のセット》、このセットというのは、カントリー・ダンスやスクエア・ダンスの基礎となる型をさすのですが、組曲、つまり曲をセットにしたものという意味もあるようです。ここでは6つのケルト系アメリカのダンス音楽がセットにされております。では、ジェイ・アンガーのフィドル、モリー・メイソンのギターその他の演奏で、《干し草作り人のホーダウン》、《農民のセット》の2曲を続けてどうぞ。

[ここで音源] 干し草作り人のホーダウン/ジェイ・アンガー作曲/ジェイ・アンガー(フィドル)、モリー・メイソン(ギター)、ケヴィン・ウィッマー(フィドル)、ダーク・パウエル(バンジョー)、ゲネイ・アーセメント(ベース)、ゲイリー・バーク(打楽器)/使用CD=米Angel 7243 5 56720 2 5(アルバム『Harvest Home: Music for All Seasons』)/演奏時間=2分45分

[ここで音源] 農民のセット/ジェイ・アンガー、モリー・メイソン作曲/ジェイ・アンガー(フィドル)、モリー・メイソン(ピアノ)、キース・マーフィー(マンドリン)、ジェレマイア・マクレーン(ピアノ・アコーディオン)、ハリー・アチェト(ベース)/使用CD=米Angel 7243 5 56720 2 5(アルバム『Harvest Home: Music for All Seasons』)/演奏時間=7分29分

Kunzel Round Up 続いてはハリウッド西部劇映画の代表作の一つ、エルマー・バーンスタイン作曲によります《荒野の七人》の音楽です。通常開拓史の敵役とされるのは先住民、いわゆるインディアンなのですが、この映画ではスペイン系であるため、ちょっとラテン音楽の香りが入っているところがミソです。今回は映画音楽の断片を組み合わせたアレンジをエリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団の演奏でお聴きいただきます。

[ここで音源] 荒野の七人/エルマー・バーンスタイン指揮/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc CD-80141(アルバム『Round-Up』)/演奏時間=5分29秒

R Wagner Foster Favorites 続いてはみなさんご存じのフォスターの歌曲をお送りしましょう。まずはフォスターといえば日本では絶大の人気があるロジェー・ワーグナー合唱団の演奏で、これまたおなじみ《ケンタッキーのわが家》、2曲目はカーメン・ドラゴンによりますカントリー・ダンス風のオーケストラ編曲版によります《おおスザンナ》。こちらの方はカンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団です。ではフォスターの歌曲を2曲続けてどうぞ。

[ここで音源] ケンタッキーのわが家/スティーヴン・フォスター作曲/ロジェー・ワーグナー指揮ロジェー・ワーグナー合唱団/使用CD=日・東芝EMI (Eastworld) TOCE-6410/演奏時間=2分43秒

[ここで音源] おおスザンナ/スティーヴン・フォスター作曲(カーメン・ドラゴン編曲)/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc CD-80263(アルバム『Down on the Farm』)/演奏時間=3分00秒

Copland Piano Worksここでちょっと気分転換として静かなピアノ小品をお送りします。アーロン・コープランド作曲の《真夏のノクターン》という曲です。もともと1947年、子供たちのために書かれた組曲として考えられたものの一楽章だったようです。弾くためのテクニックは大変ではないかもしれませんが、それでもコープランド独特のアメリカ的な叙情性がさり気なくしみでてくるような素敵な作品です。ではレオ・スミットの演奏で《真夏のノクターン》。

[ここで音源] 真夏のノクターン/アーロン・コープランド作曲/レオ・スミット(ピアノ)/使用CD=米Sony Classical SM2K 66 345(アルバム『The Young Pioneers: The Complete Music for Solo Piano』)/演奏時間=2分01秒

続いては子供たちの合唱とオーケストラによる賑やかな《ゆかいな牧場》です。英語のオリジナルを尊重すると《マクドナルド爺さんの農場》と呼べるかもしれませんが、いろいろな動物の鳴き声が登場するようで、この演奏ではニワトリ、羊、アヒル、馬、そして七面鳥、豚でしょうか。ここで編曲を担当しているのはウォルト・ディズニー社のアレンジャー、ブルース・ヒアリーで、よくもまあここまでやりました、という努力賞もののアレンジです。ではエリック・カンゼル指揮、創造舞台芸術学校児童合唱団、エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団の演奏でどうぞ。

[ここで音源] おおスザンナ/民謡(ブルース・ヒアリー編曲)/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc CD-80263(アルバム『Down on the Farm』)/演奏時間=5分05秒

今日最後は、やはり西部劇映画のテーマソングで締めくくります。ジェローム・モロス作曲の代表作、《大いなる西部》です。エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団の演奏です。

[ここで音源] 大いなる西部/ジェローム・モロス作曲/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc CD-80141(アルバム『Round-Up』)/演奏時間=3分01秒


アメリカ音楽講座の目次に戻る
メインのページに戻る