Dr. Tの現代アメリカ音楽講座
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2005年1月9日アップロード
これは新潟県新津市にあるFM新津の番組「ドクターヨコサカのくらくらクラシック」において、2004年12月25日に放送されたアメリカ音楽紹介の原稿
です。
[ここで音源]
そりすべり/ルロイ・アンダーソン作曲/ネーメ・ヤルヴィ指揮デトロイト交響楽団/使用CD=米Detroit Symphony Orchestra
BGD-0117(アルバム『Joy! A Celebration of Holiday Music』/演奏時間=2分49秒
メリー・クリスマス。今年12月の現代アメリカ音楽講座はクリスマスの日の放送ということで、これはやはりクリスマス音楽のオンパレードにさせていただき
たいと考えております。今日も最後までよろしくお付き合いください。お相手はいつもの通り、谷口昭弘です。
さて冒頭にお送りしましたのは、もうこの曲の鈴の音やトナカイをあやつるサンタさんの鞭の音がクリスマスという感じです。おなじみルロイ・アンダーソン作
曲の《そりすべり》でした。ネーメ・ヤルヴィ指揮デトロイト交響楽団でした。
この軽やかな雰囲気から勢いをつけてまいり
ましょう。続いてはキース・ロックハート指揮ボストン・ポップス管弦楽団のクリスマス・アルバムから、テキサス州はダラス在住の作曲家、ランドル・ベース
という人によります《グローリア》です。華やかな合唱とリズミカルなオーケストラが雰囲気を盛り上げるアメリカらしい作品です。ではどうぞ。
[ここで音源]
グローリア/ランドル・ベース作曲/キース・ロックハート指揮タングルウッド祝祭合唱団、ボストン・ポップス管弦楽団/使用CD=RCA Victor
09026-63252-2(アルバム『Holiday Pops』)/演奏時間=6分07秒
次はクリスマスを主題にした黒人霊歌を2曲お
送りします。黒人霊歌は苦しい人種差別の中で生きる黒人たちが、未来への希望を神へ託して歌う心の歌ですが、クリスマスは主イエス・キリストの誕生の日。
黒人たちは、もしかしたらこの機会に、自分たちにも何か救いがやってくるのではないかと喜びの声を上げたのかもしれません。そんな黒人霊歌の中から、1曲
目は《羊飼いよ、起きて星に従え》。クリスマスの朝に生まれたイエス・キリストへの場所へと導く星に従えという感じの歌ですが、独特のアクセントのある旋
律が、魅力的です。2曲めは《新生の王に栄光あれ、アレルヤ!》です。ピアノの伴奏からしてスイング感がありますし、歌の方も、ゴスペルに通ずる感じがい
たします。
ではトーマス・ヤングのテナー、ダオナード・スミスのピアノで、クリスマスにちなんだ黒人霊歌、《羊飼いよ、起きて星に従え》、《新生の王に栄光あれ、ア
レルヤ!》の2曲を続けてお楽しみ下さい。
[ここで音源] 羊飼いよ、起きて星に従え/黒人霊歌/トーマス・ヤング(テナー)、ダオナード・スミス(ピアノ)/使用CD=Ess.A.Y.
Recordings CD 1011(アルバム『Black Christmas: Spirituals in the
African-American Tradition』)/演奏時間=4分26秒
[ここで音源] 新生の王に栄光あれ、アレルヤ!/黒人霊歌/トーマス・ヤング(テナー)、ダオナード・スミス(ピアノ)/使用CD=Ess.A.Y.
Recordings CD 1011(アルバム『Black Christmas: Spirituals in the
African-American Tradition』)/演奏時間=1分30秒
ではここでちょっと教会の厳かな雰囲気のす
る、オルガン伴奏による合唱曲をお送りしましょう。カーライル・フロイドという人の《遠い、遠い昔》という作品です。カーライル・フロイドはアメリカでは
オペラの作曲家として有名ですが、とても親しみやすい音楽を書く人です。《遠い、遠い昔》という曲も、神秘的で美しい響きの中に、聖書に書かれた遠い昔の
出来事のことを思う素敵な作品です。
ではケヴィン・ロング指揮ボストン・アドヴェント教会聖歌隊、マーク・ドワヤーのオルガンで、カーライル・フロイドの《遠い、遠い昔》をどうぞ。
[ここで音源] 遠い、遠い昔/カーライル・フロイド作曲/使用CD=米Arsis CD 117(アルバム『A Christmas
Album』)/演奏時間=1分54秒
次はオーケストラの響きも華やかなクリスマスの曲を2つ。まずはヘンデルのオラトリオ《メサイア》からのメロディにもとづい
て、アメリカのローウェル・メーソンという人が作曲したとされているこの世の喜び》、これは日本では《もろびとごぞりて》と題されています。これをポー
ル・ベートマン指揮クロウチ・エンド祝祭合唱団とプラハ市立フィルハーモニー管弦楽団でお送りします。2曲目はエリック・カンゼル指揮シンシナティー・
ポップス管弦楽団による演奏で、スイングやラテン、そして最後にはマーチなども飛び出すアレンジの楽しい《ウインター・ワンダーランド》をお送りします。
では、《もろびとごぞりて》と《ウインター・ワンダーランド》の2曲を続けてどうぞ。
[ここで音源]
もろびとごぞりて/ローウェル・メーソン作曲/ポール・ベートマン指揮クロウチ・エンド祝祭合唱団、プラハ市立フィルハーモニー管弦楽団/使用CD=米
Silva Classics SILKD 6026/演奏時間=1分50秒
[ここで音源]
ウインター・ワンダーランド/フェリックス・バーナード作曲(ラルフ・ハーマン編曲)/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD
=米Telarc CD-80026(アルバム『Christmas with the Pops』)/演奏時間=2分48秒
さて、ここでちょっと気分を変えて、落ち着いたヴォーカル・ナンバーをお送りします。《クリスマス・ソング》というシンプルなタイトルなんですが、クリス
マスの情景がいろいろ描かれています。家の外にはくりの実、そしてまるでエスキモーのような防寒着を来た人たち、家の中では暖かな七面鳥や子供たちに送ら
れたクリスマスのプレゼント、そういったクリスマスの風物詩が折り込まれています。そして最後に、いつまでも子供のような純粋さを忘れない老若男女すべて
にメリー・クリスマスと優しく呼びかけます。今回はこれを、モーリーン・マクゴーヴァンのソプラノ、マイク・リエンツィのピアノ伴奏でお送りします。で
は、しっとりとした大人の雰囲気のクリスマス・ソングをどうぞ。
[ここで音源]
クリスマス・ソング/メル・トーメ作曲、ロバート・ウェルス作詞/モーリーン・マクゴーヴァン(ソプラノ)、マイク・リエンツィ(ピアノ)/使用CD=米
Sony Masterworks MFK 66300(アルバム『Voices of Christmas』)/演奏時間=4分02秒
では、ここでお馴染みのクリスマス・ソング、メドレーにしたものをお楽しみいただきましょう。ちょっとしたイントロの合唱に続いて、《サンタが町にやって
きた》、《サンタクロースがやってくる》、《赤鼻のトナカイ》、《雪だるまの歌》、《ジングル・ベル》と5曲がアメリカの子供たちによって歌われていま
す。オーケストラによる伴奏は、エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団です。
[ここで音源]
クリスマス・ソング・メドレー/ブルース・ヒアリー編曲/エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス管弦楽団/使用CD=米Telarc
CD-80026(アルバム『Christmas with the Pops』)/演奏時間=8分17秒
クリスマス特集でお送りしております今日の「現代アメリカ音楽講座」、最後は映画『ホーム・アローン2』から《メリー・クリスマス》をお送りしましょう。
曲を作ったのはおなじみジョン・ウィリアムズ。演奏はキース・ロックハート指揮ボストン・ポップス管弦楽団です。みなさんもこの曲を聴いて思いっきりハッ
ピーなクリスマスをお送り下さいね。では、来年も現代アメリカ音楽講座、よろしくお贔屓に。そしてラジオをお聴きのみなさん、よいお年を。
[ここで音源]
映画『ホーム・アローン2』より《メリー・クリスマス》/ジョン・ウィリアムズ作曲、リズリー・ブリカッセ作詞/キース・ロックハート指揮タングルウッド
祝祭合唱団、ボストン・ポップス管弦楽団/使用CD=RCA Victor 09026-63252-2(アルバム『Holiday
Pops』)/演奏時間=2分48秒
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