Mr. Tの現代アメリカ音楽講座



62
2004年10月1日アップロード
これは新潟県新津市にあるFM新津の番組「ドクターヨコサカのくらくらクラシック」において、2004年9月末に放送されたアメリカ音楽紹介の原稿です。
現代アメリカ音楽講座の時間です。お相手はいつもの通り、谷口昭弘です。

American Organ CD現代アメリカ音楽講座の時間です。お相手はい つもの通り、谷口昭弘です。今回も私が独断と偏見で選んだアメリカのクラシック音楽、どうぞ最後までお楽しみください。今日最初は《秋の到来》と題されたレオ・サワビーのオルガン曲をお送りします。作曲者サワビーにとって、秋は一年の中でも最も好きな季節だったようですが、タイトルはある日に新聞で発見した『秋』というカナダの詩人ブリス・カーマンによって書かれた一遍の詩だったようです。そこには穀物やリンゴやぶどうといった果物が実る収穫の秋でありますとか、紅葉の紅葉、真っ赤な夕焼け、コオロギの鳴き声といった秋を思わせる様々な物が登場しておりまして、作品のアイディアも大きく膨らんだようです。

今日はこのサワビーの《秋の到来》をドイツのオルガン奏者ギュンター・カウンツィンガーが演奏したCDでお聴きいただきましょう。ではどうぞ。

秋の到来/レオ・サワビー作曲/ギュンター・カウンツィンガー(オルガン)/使用CD=独Christphorus CD 74521(アルバム『Amerikanische Orgelmusik』)/演奏時間=7分11秒

American Cello CD続いては、この番組でも度々お送りしておりますポール・クレストンの作曲からチェロ組曲をお送りしましょう。クレストンの作品は爽快なリズムと美しい和声に乗せた旋律が印象的なのですが、このチェロ協奏曲もその例外ではありません。一見クールなところもありますが、とても情熱的な一面も持っております。4つの楽章からなりますが、今日は前奏曲と題された第1楽章、カンティレーナ(叙情的な旋律)と題された第3楽章、タランテラと題された第4楽章の3つの楽章を続けてお聴きいただきます。ちなみに最後のタランテラというのは、タランチュラという毒蜘蛛に刺されてきりきり舞いする様を表す踊りのようです。では、テリー・キングのチェロ、ジョン・イェンセンのピアノでポール・クレストンのチェロ・ソナタをどうぞ。

チェロ組曲から第1楽章<前奏曲>、第3楽章<カンティレーナ>、第4楽章<タランテラ>/ポール・クレストン作曲/テリー・キング(チェロ)、ジョン・イェンセン(ピアノ)/使用CD=米Music & Arts CD 1076(アルバム『Recent and Unknown American Works for Cello』)/演奏時間=4分29秒、5分37秒、4分51秒

Philip Myers CDここで静かな曲を一つ。ガンサー・シュラー作曲の《3つのオマージュ》から第1曲<間奏曲>をお送りします。作曲者のシュラーはジャズの研究家としても有名ですが、もともとはオーケストラでホルンを吹いておりまして、彼の書いたホルンの教則本は日本語にも訳されている大変有名なものです。そのシュラーはホルンのための作品も多く書いておりまして、今日はそのうちの一曲をニューヨーク・フィルの主席奏者フィリップ・マイヤーズが演奏したものをお送りします。曲の「オマージュ」というのは「敬意、賛辞」といった意味のようですが、シュラーは20世紀ヨーロッパの作曲家への賛辞を3曲の組曲風に書きました。3つのそれぞれの楽章はイギリスの作曲家フレデリック・ディーリアス、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル、ダリウス・ミヨーに捧げられているようです。今日はそのうち、フレデリック・ディーリアスのオマージュとして書かれた第1楽章<間奏曲>をお送りします。ピアノ伴奏はヴァージニア・ペリー・ラムです。

《3つのオマージュ》から<間奏曲(フレデリック・ディーリアズへのオマージュ)>/ガンサー・シュラー作曲/フィリップ・マイヤーズ(ホルン)、ヴァージニア・ペリー・ラム(ピアノ)/使用CD=Cala CACD0513(アルバム『Philp Myers: Principal Horn, New York Philharmonic』/演奏時間=4分13秒

Bernstein Conducts Bernstein最後は賑やかなニューヨークの街角を思い起こさせるアメリカらしい作品、ミュージカル《オン・ザ・タウン》から3つのダンス・エピソードをお送りします。《オン・ザ・タウン》、日本では『踊る大紐育』というミュージカル映画としても有名ですね。24時間の休暇をもらい、ニューヨークに降り立った3人の水兵たちが巻き起こす大騒動を描いた物で、ジーン・ケリー、フランク・シナトラも出演しておりました。音楽を担当したのはレナード・バーンスタイン。今日はそのミュージカルで使われた音楽を作曲者バーンスタインが3つの楽章からなる舞踊組曲としたものをお送りします。<大い なる恋人>、<寂しい町>、<タイムズ・スクエア>、以上3つの楽章を、作曲者バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団でお送りします。では《オン・ザ・タウン》から3つのダンス・エピソードをどうぞ。

《オン・ザ・タウン》から3つのダンス・エピソード/レナード・バーンスタイン作曲/レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団/使用CD=CBS Masterworks MK 42284/演奏時間=1分43秒、3分22秒、4分47秒


アメリカ音楽講座の目次に戻る
メインのページに戻る