では、ヴァージル・トムソンの10のエチュードから、ラグタイムのバース、そして平行進行の和音(タンゴ)の2曲をロジャー・シールズのピアノでど
うぞ。
《10のエチュード》から<ラグタイムのベース>/ヴァージル・トムソン作曲/ロジャー・シールズ(ピアノ)/使用CD=米VoxBox CD3X 3027(「Piano Music in America (1900-1945)」、3枚組の2枚目)/演奏時間=1分41秒
《10のエチュード》から<平行進行の和音(タンゴ)>ヴァージル・トムソン作曲/ロジャー・シールズ(ピアノ)/演奏時間=2分21秒
軽いピアノ曲の後は、このコーナーでも度々お送りしています、ハワード・ハンソンの、心に迫る弦楽四重奏曲をお送りしましょう。1927年に出版されたこの弦楽四重奏曲、ハンソンらしく、非常にロマンチックな音楽になっています。また弦楽四重奏曲というのは通常4つの楽章で成り立っているのですが、この作品は1楽章になっています。しかし全体を通 して聴いてみますと、非常に息の長い部分があったり、切迫するリズムを感ずるところがあったり、優しい歌があったりと、その表情は様々です。ヴァイオリンが2つとヴィオラ、チェロという弦楽器4つというのは、音色として統率が取れている分、作曲家の豊かな発想が自然と要求されるようなところがありまして、ハンソンはこの要求にうまく答えているように思います。
では、ハワード・ハンソンの弦楽四重奏曲を、コーホン弦楽四重奏団の演奏でどうぞ。
弦楽四重奏曲(一楽章形式)/ハワード・ハンソン作曲/コーホン弦楽四重奏団/使用CD=米VoxBox CDX 5090(「American String Quartets: 1900-1950」)、2枚組の1枚目/演奏時間=17分47秒
最後は、ハンソンの音楽に聴かれた、厳しい問いかけのような音楽とは別に、アメリカの大地を自然に感ずるコープランドの交響曲第3番をお送りします。これからお送りします第4楽章の冒頭には、アメリカの公の式典で良く演奏される、市民のためのファンファーレという作品が引用されています。この交響曲自体には、特にアメリカをストレートに表現したような物語が考えられていた訳ではないのですが、堂々としたオーケストラの中に滲みでてくるのは、まぎれもないアメリカの表現であるように感じられます。
この曲、演奏もたくさん種類があるのですが、今日はレナード・スラトキンが日本のNHK交響楽団を指揮したCDでお送りしたいと思います。では、コープランドの交響曲第3番です。
[ここで音源] 交響曲第3番より第4楽章/アーロン・コープランド作曲/レナード・スラトキン指揮NHK交響楽団/使用CD=日キング (NHK CD) KICC 3032/演奏時間=15分07秒