最近見たもの、聴いたもの (77)


2004年10月執筆分
2014年8月8日アップロード


2004年10月30日

今日は

友人の結婚式で疲れた。しかも3次会(オフィシャルなのは2次会までで、3次会は中学時代の友人たちのみ)までつき合ったので、飲み過ぎ・食べ過ぎである。結婚した友人は、明日からフロリダのディズニー・ワールドだそうだ。私が行った頃からは、随分変わっているのだろうな。お幸せに。

今は、学会の研究発表の改訂をちょっとだけ。これが終われば、ベートーヴェンの楽曲解説と譜例である。エッセイも書かなきゃいけないな。ラジオのアナウンスも録音しなければ…。


2004年10月26日

ドラマ『白夜3.98』サントラ

韓国Polydor DK0042/559470-2

なんでもこのテレビ・ドラマが日本でも放映、DVDまで発売されるというから、昨今の韓国(イ・ビョンホン?)ブームは凄いものだと実感。私にとっては、韓国のテレビ・ドラマの初体験がこのSBSの作品であった。日本では『シュリ』がブームだった頃だと思う。

韓国人経営のグロッサリー・ストアで音楽番組やバラエティー番組のビデオを借りてみた時、最後にこの番組の画面と音楽が流れてきた(たぶんトラック2の韓国語の歌だったと思う)。その時はドラマがそもそもどんな内容か全く分からなかったが、流れてくる音楽があまりにも魅力的で耳から離れない。そこで音楽番組のビデオを返す時、思わすグロッサリー・ストアで歌の旋律を口ずさんでビデオについて尋ねた。ちょうど偶然横にいた若い店員が「それは…」ということで出してくれたのが『白夜3.98』。10本だったか、たくさんあったので、とりあえず最初の3つほど借りてきたと思うのだが、第1回の内容からして、大きなショックだった。

まず北朝鮮や韓国軍のことについて、もちろんドラマということを差し引いてだが、かなりリアルに感じられた。話が進むにつれ、それらとロシアはどういう関係があるのだろうとハングルの字幕を観ながら考え、結局全部通して観ることとなった。いわゆる「救い」がない、とても悲しい物語ということになるのだろうけれど、いかにもお金のかかったプロダクションだったし、俳優の質の高さも、日本のドラマを圧倒するものだったと記憶している。この時、一時的に私にも韓国ブームが訪れ、「白夜」のハングル文字を覚え、ビデオの続きを借りる時、店員の前で書いたことがある。もう完全に忘れてしまったなあ。

サントラ盤は、昨年(?)東京在住の妹に買ってもらった。やはりメインタイトルは胸にぐっとくるものがある。いつか字幕付きで、ちゃんと意味を把握しながら観てみたいドラマだ。DVDを全部買う予算はないだろうけれど…。


2004年10月22日

まだまだ

学会の発表原稿に取りかかっております。一部は中部地区大会でも話したことですが、時間をちょっと延長した分主題も広くなっているので、その辺りをどうまとめるかという問題になるようですね。

ところで先日ディズニー映画『アラジン』のDVDを購入(日本盤スペシャル・エディション [続編の入ってない方] )。特典もらっちゃいました。画質が良いですね〜。実はリアルタイムでは観なかったので、これが初めて (^_^;;  アメリカ盤にはギフト・セットというのがありまして、2枚組スペシャル・エディションの他に、アニメのシーンをフィルムにしたものやスケッチのカード、そして特典本がついています。本の方はあらすじと舞台裏の紹介で、特典映像の内容からそれほど膨らんだものじゃないですが、こういうのを集めている人は面白いんじゃないかと思います。

あと今、ディズニーの短編集をテーマ別に集めた限定盤コレクション「ウォルト・ディズニー・トレジャーズ」というのがありまして、この日本盤が実に入手困難なシロモノなのです。『シリー・シンフォニー』という5000部限定のものなど、富山県のローカルなレコード店ですと、全県のすべての支店で3つしか入らないというお話。そんなにすごいんですかねえ。数日前には『ドナルドダック・クロニクル』というのも出まして、要するに年代順に収録されているのですが、これも5000部ということで、大変な競争率になっているそうです。ヤフオクなどでは、高価に転売されておられる方もいらっしゃるようです。う〜んディズニー恐るべし。この「トレジャーズ」シリーズ、米国では戦時中に作られた映画を集めたコレクションも発売されているようです。当時日本はアメリカの敵対国ということもあって、なかなか日本では発売不可っぽい内容も収録されているのだとか。

今日は『レコ芸』が発売されました(たいてい22日です、富山の書店では)。北欧音楽は知識がないので、それにつられて買いました。満津岡さん執筆のバーンスタインの記事もありましたしね。作曲家バーンスタインという切り口は、私も注目しています


2004年10月14日

忙しい…

いろいろやることがあって忙しい。Web-cri.comのレビューを前々からやらねばと思っているのだが、なかなかそれをやる時間がみつからない。『音楽文化の創造』の連載「日本の音楽祭」も、いよいよ3回目。今回は1月から3月の音楽祭を扱う。うまい具合に、それぞれの月に音楽祭があるようで、ほっとしている。ローカルな資料が送られてくるし、いろんな人とお話できるのも楽しい。しかし執筆の方は明後日までが勝負だ。

ベートーヴェン演奏会のための解説を書くためのスコアリーディングも行っている。Dover版は便利だなあ。初期はアルバン・ベルクSQ、後期はズスケSQの音源を聴くことが多い。中期はジュリアードかABQか。今回は作品132もある。精神性の問題にまともに立ち向かうRobin Wallaceの論文は面白そうだけど、読みこなす時間があるかどうか。譜例を早めにつくらないと…。

学会発表も近付いてきた。どんな研究者の人と出会うのか、こちらもまた楽しみである。発表も、うまくいくといいなあ。日本ポピュラー音楽学会北陸支部会でも、違った側面から問題を捉えたい。

実家のお店に来た車の業者CHOHANからメールが届く。4月に送ったものの返事がようやくだ。彼も忙しいようだ。

CDとしては黒人音楽を録音したデトロイト響の自主制作盤が届く。


2004年10月 9日

アナログを語る会、2004年10月例会(10/8)

今月は私がDJを担当。『Mostly Americanーアメリカ音楽を中心にー』と題してお送りした。全員が北アメリカの作曲家でないというところで、「mostly」を入れてみた。

(1)ウィリアム・グラント・スティル作曲 《アフロ・アメリカン交響曲 (1930)》より第1楽章。ポール・フリーマン指揮ロンドン交響楽団 米The College Music Society (CBS Special Products) P19425 (アルバム『CBS Records’ Black Composers Series』 [9枚組] より2枚目)

有名オーケストラによって演奏された黒人作曲家の交響曲の第1弾として有名。コロンビアらしい録音のよさと、スムーズな演奏、やさしく叙情的な作品が良いオープナーとなったようだ。「ユダヤ的」との声もあった。確かに奥さんはユダヤ人だったけれど、音からそれが伝わるというのは思いもしなかった。

(2)ロイ・ハリス作曲 《民謡交響曲》より第1楽章<懐かしの娘>。ウラディミル・ゴルシュマン指揮アメリカ祝祭管弦楽団 米Vanguard SRV 347SD

「カウボーイみたいなやつ」というお声をいただく。「開拓時代を思い出す」とも。もちろん私はハリスの作風について特別語った訳ではないので、これはハリスの作品そのものが持つ特色なのだろう。第2楽章については、レコードの回転がおかしくなったみたいだという声。確かに長調・短調が常に入り交じり移り行くアレンジだから、そういう風に聴こえるのかもしれない。

(3)アメリカ民謡 《なつかしのチゾルム街道》
(4)アメリカ民謡 《寂しい草原に埋めないでくれ》
ラルフ・ハンター指揮ラルフ・ハンター合唱団 米RCA Victor LSP-1968

Living Stereoの録音が好きな方が借りて行かれた。(3) に関してはいろんな歌詞があるので、レコードと同じものは見つからなかった。歌も速いし、私にはちょっとディクテーションは無理…。(4) を聴きながら、60年代の懐かしいアレンジという声をいただく。確かにロジェ・ワーグナーやロバート・ショウなどを思い起こさせるところがある。

(5)ジョン・フィリップ・スーザ作曲 《忠誠》 ルイ・ブージョワー大佐指揮米国海兵隊軍楽隊 米国海兵隊軍楽隊レコード『The United States Marine Band On Tour』 (番号なし、非売品)

スネア・ドラムの多さ、テンポの遅さに注目されたようだ。海兵隊が演奏すると、いつもこんな感じだけれど、確かにその方がおっしゃっていたように「ドイツのマーチ」さえ思い出すかも。アルフォードというか。

(6)ガーシュイン作曲 《魅惑のリズム》 インディア・アダムス(ヴォーカル)、コリン・キーズ・トリオ 英NAD/Unicorn UNS 269D (アルバム『NAD/Unicorn Digital Demonstration Record』)

私個人としては、極めて生に近い録音だと思っている。生演奏に多く接している方には賛同していただけると思う。「定位もしっかりしているし、それぞれの楽器の特性もうまく捉えられている」「後世にまで大切に残すべきレコード」とも。

(7)間宮芳生作曲 ヴァイオリン、ピアノ、打楽器とコントラバスのためのソナタ (1966) から第2楽章 黒沼ユリ子(ヴァイオリン)、間宮芳生(ピアノ)、佐藤英彦(打楽器)、津田礼仁(コントラバス)日コロムビア OS-10013-JC

北陸地方の古謡を使っているということだけれど、それはちょっと私には分からなかった。しかし60年代後半のコロムビアの録音の良さに注目された。自分の好みとしては、いかにもスタジオのクリアカットな録音だと思うけれど、こういうのがお好きな方は多かったようだ。おそらくポピュラー音楽では、割と普通な録りかたなのかもしれない。

(8)アリー・バローゾ作曲 ブラジル 坪島照信指揮富山商業高校吹奏楽部 東芝EMI LRS-818

ノリがほとんどロックだが、すごい迫力。やっぱり富商はうまいなあ。

(9)チャイコフスキー作曲 序曲《1812年》 
(10)スーザ作曲 《星条旗よ永遠なれ》
キース・ロックハート指揮ボストン・ポップス・エスプラネード管弦楽団 米A&Eネットワーク(CATV)、2001年7月4日放送。

(9) 本物の大砲を使った演奏。 (10) アメリカ人のバカ騒ぎと、小さな国旗を両手に持って指揮するロックハートに「感動」されたという声。あまり格式にこだわらず、とにかく陽気に建国を祝うアメリカ人の姿は、やはりビデオで観なければ分からないように思う。


2004年10月 7日

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会第3回

11月9日(火)、婦中町ふれあい館ホール、午後7時開演

演奏曲目
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第1番 作品18の1
                  第9番 作品59の3《ラズモフスキー第3番》
                  第13番 作品132
演奏:クァドリ・フォーリオ

いよいよラズモフスキーが登場である。楽しみだ。

(05.04.28. 追記)
音楽雑記帳にこの演奏会の楽曲解説(PDFファイル)をアップロードしました。ご参照くださいませ。


2004年10月 4日

ゾーンとガーシュイン

John Zorn "News for Lulu." Hat Art CD 6005

バップ時代に不当に軽視されたミュージシャンたちの楽曲を集めたものとある。もちろん楽しいアルバムであることは確かである。しかしこのCDをどのような文脈で捉えればよいのかが、私には掴めていない。そもそもそういう「文脈」を考えること、あるいはカテゴリーや歴史の中の構成員として楽曲やアルバムを考える作業そのものが、「ガクモン」的なのかもしれない。

一体それが何のために必要なのか、ゾーンについて何かマトモなことを発言せよという使命が与えられた時、それが必要になるのだろうか。

トラック4辺りまでは割合のんびり聴いていた。しかしトラック5はいろんなスタイルが錯綜するゾーンらしい音楽に触れたと思う。とりあえずトラック7まで聴取。

メモ:「ほとんど目を覚ましている間じゅう、世界中のあらゆる音楽を聴いたり、聞かされたりしているが」(清水、325)
--これは本当だろうか? テレビやラジオをつけない限り、それほど音楽は聞こえてこない。少なくともここ富山ではそうだ。シンガポールのヒットソングやコンゴの伝統音楽が街中で聞けるだろうか? ブラームスやヒンデミットの声楽作品が聞こえてくるだろうか? 

『Modernity at Large』にあるような、メディアスケープというのは、街に実際に溢れ出るヒットソングやジングル、テレビCMのテーマ、それに加え、レコード店に溢れる、それ以外の多種多様な聴いたこともないCDジャケットのデザイン、車中で偶然聴いたピーター・バラカンのDJの番組(結構面白いですね、この人の番組)、その他いろんなものが混ざり合って形成されていくのではないだろうか???

街に溢れる音や音楽というイメージ、例えば富山ならば家電量販店で似たような体験ができるのかもしれない。

Gershwin Plays Rhapsody in Blue: First Recording 1924 from Rare Piano Rolls. Biograph BCD 106

MTTがジャズ・バンドとガーシュイン自身によって記録されたピアノロールとを共演させたCDを作っていたが、その録音に使われたのは、このロールだったのかもしれない(未確認)。ちょっと打鍵がたどたどしいところが似ている。独奏するタイプの演奏であることは間違いない?


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