最近見たもの、聴いたもの (73)


2004年9月2日アップロード


04.8.24.

ボストン・ポップス・エスプラネード管の独立記念日コンサートの録画テープを観る。1998年のものだ。ロックハートは1995年に初めてこのコンサートの指揮をしているが、やはり初回というのは、かなり硬い感じがする。会場の方にはロックハートのファンと思しき人も多数いて、人気の高さを示している。98年になると、指揮者の方もかなり進行についてはこなれてきたようで、曲間のタイミングもずっと良くなっている。

カセットテープではタングルウッドで指揮したジョン・ウィリアムズの録音が出てきた。当時はドルビーもないラジカセしか持っていなかったため、音は良くない。でも、会場の異様な盛り上がりは充分感じられる。93年録音ということだから、JW最後のシーズンの夏の公演ということになるのだろう。JWの年ではクリスマス番組の録画テープを観た。ロックハートに比べてソフトな語り口。ちょっと地味だなあ。オーケストラの方はゴージャスなJW時代のものだ。お世辞にもタクトは上手とはいえないけれど、オケはとても気持ち良く鳴っている。


04.8.25.

エリック・カンゼルの独立記念日放送のコンサート番組のビデオを発見。やっぱり3倍モード録画だった(涙)。映像を重視してトラッキングを合わせると音が絶望的になるので、泣く泣くモノラルモードにしてハードディスクに落とした。もともと放送がモノラルのようなので一応はオッケーだが、同じモノラルでもハイファイ・モードに比べると、かなり落ちる。内容は愛国主義いっぱいだ。番組のオープニングはカートゥーン(アニメ)になっていて、これが面白い。ボストンにくらべて、ずっとアットホームな印象だ。


04.8.27.

ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調 デヴィッド・デュボー (ピアノ)、ジョン・ウィリアムズ指揮ボストン・ポップス WCRB、1994年6月5日放送

ジョン・ウィリアムズの時代のボストン・ポップスは大味なところもあるし、オケの細かいバランス取りなどはあまり得意でないのかもしれない。しかし改めて聴いてみると、ダイナミックに聴かせるので感心した。この時は第3部が40年代の音楽ということになっているのだが、その録音はみつからない。なぜかこのラヴェルだけ。一体どういうつもりでエアチェックしたのか、まったく見当がつかない。もっと録音しておくべきだったなあ。デュボーはボストンのローカル・スターのピアニストで、MITの先生だったようだ。一楽章ごとに拍手が入るのは、しょうがないか。

テープの裏には子供がJWに質問する場面が収録されている。"Kid's Classical Hour" という番組からのようだ。最も印象に残った映画は『未地との遭遇』だとのこと。特に音楽でコミュニケートするというスピルバーグのアイディアと、そのアイディアをかのモティーフとして実態のあるものにしたことなど。「もし競争するとしたら、誰が相手?」という質問も出ていた。その答えは「自分自身」なのだそうだ。


04.8.29.

ヤマハのCD-Rレコーダーを購入。さっそくボストン・ポップス・エスプラネード管弦楽団のエアチェック(カセットテープ)をHDに落とす。ジョン・ウィリアムズが自作の映画音楽を振っている。ちょうど『ジュラシック・パーク』が上映されていたころのもののようだ。アンコールに『ジョーズ』を持ってきたが、最初から例の「二音の動機」を演奏せずに、打楽器アンサンブルによるカオスを作っておき、そこで「二音の動機」が出た時の聴衆の反応を楽しむ趣向。最後も《レイダース・マーチ》もトランペットの旋律が出ると、拍手や口笛だの、大変な盛り上がり。私が録音できたのは第3部だけだったのだが、おそらくこの公演は全部ウィリアムズだったんだろうなあ。何回にもおよぶ日本へのツアーがアナウンスで紹介されていた。

その他、ハリー・エリス・ディキンソン指揮による公演をCDにする。ボストンに行って驚いたのは、ボストン・ポップスというのは常にJW(当時)が指揮している訳ではないということ。むしろJWの公演は少なかったように思う。それは小澤のコンサートがいつもではないということと同じではあるけれど。しかもJWが登場しても彼の映画音楽が聞ける訳ではない。日本にいたときはボストン・ポップス=JWの映画音楽というイメージが強かったから、多少落胆したのも確かだ。ところでこのディキンソンのアンコールにはアンダーソンの《フィドル・ファドル》が入っている。《そりすべり》以外のアンダーソンのエアチェック録音はこれだけかもしれない。


04.8.30.

デイル・アンダーウッド(アルト・サックス)、ロドリーゴ・C・ミューゴル指揮メトロポリタン・ウインド・アンサンブル 米Golden Crest CRS 4136(LP)

クレストンのサキソフォン協奏曲(吹奏楽伴奏)を聴く。名曲だと思う。演奏者のアンダーウッドについてはあまり知らないのだが、なかなかの名手のようだ。クレア・グランドマンの小協奏曲、モーリス・ホイットニーの《序奏とサンバ》は、いかにも吹奏楽ではありそうなタイトルだが、サンバ自体はちらっと顔を覗かせる程度。緩急二部の盛り上がる作品といったところだろうか。ワルター・ハートリーはアルト・サキソフォーン、チューバと管楽八重奏のための二重協奏曲という変わった編成の作品。聴いた感じは金管合奏に木管楽器の色がついたという感じ。前ニ作よりも、若干アカデミック風。ついでにポール・ブロディー(サックス)+マイリアン・シェチター(ピアノ)によるクレストンのサキソフォン・ソナタ(米Golden Crest RE 7037 [LP])も鑑賞。

吹奏楽関連では、米国軍楽隊のエアチェック分をまとめる。ここにもクレストンのサキソフォン協奏曲がある。海兵隊軍楽隊の演奏。ただしノイズがひどくて聴けたもんじゃない。電波が不安定な局だったからなあ。ボストン時代に録音した空軍のロン・ニルソン/ロッキー・ポイント・ホリデーは比較的ノイズが少なくて、演奏にも迫力がある。すごい。


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