最近見たもの、聴いたもの (65)


2004年2月1日アップロード


04.1.21.

(1)アジアを聴こう/インドネシア:チロカック、(2)赤道アフリカの楽器:プ ウィティ教の音 楽、(3)赤道アフリカの楽器:楽器とその機能 1991.2.8./2.11. NHK-FMエアチェックテープ

(1)時々エアチェックしていたNHKの『世界の民族音楽』から(この番組の放送が終わってしまったのは、つくづく残念だ!)。アジアの回は星川京児さん の DJ。彼の紹介 する回は、現地入手の音源を使うことが多く、また「これは意外」と思われるような音源が多かった。ガムランのイメージでインドネシア音楽を考えるとこのチ ロカックは全く別のものに考えられてしまう。フィドルとツィンバロンとベースといった感じの響き。ロンボク島のポップ・ミュージック???

(2)ガボンのプウィッティ教の宗教儀式の音楽。DJは成沢玲子さん。かつてピグミーと言われたバンツゥー(?)の音楽? 音楽弓(ンゴンビ?)の音が印 象的。 倍音の聴こえ方も大切な要素のようだ。畳み掛けるような歌詞も魅力的だが、このツォゴ語の歌詞の意味が分かればもっと面白いのだが、ラジオの15分の枠で は、さすがにそこまで明確に伝えるのは難しいのだろうな。

(3)トーキング・ドラム以外で、言葉を伝える楽器。木琴によるおしゃべり(今は雨が降っているが、あすは天気になるだろう)、メッセージを入れ子んだ音 (4枚 の板のみによる木琴だが、地面に穴を掘って共鳴させている)などをつかった打楽器の合奏音楽(木琴がしゃべっていたそうだ。どの部分が言葉なのかも判断が つかないというのはたしかに成沢さんのおっしゃる通り)、ンガラという笛(攻撃を指示する音楽、退却を指示する音楽。パンパイプのような響き。演奏法は南 米のパンパイプみたいなホケツゥス風)。バンダ族にはもっと精緻ながあるそうで、それはオンゴという角笛によるもの。etc... etc...(聴きながらメモをとるのは難しい)。

04.1.26.

スッペ 序曲集 ゲオルグ・ショルティ指揮ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 日 King(London)GT9108(LP)

LP--Suppe Ovt.; VPO; Solti
骨太の力強い演奏。しかしウイーン・フィル特有のしなやかさも同時に感 じられる。この盤で記憶に残る箇所は《軽騎兵》序曲の最後のファンファーレ主題が倍の速度で演奏されているところである。ここではバックの刻みも6/8的 な3連符になっている。おそらく楽譜とは違うのだろうが(ウイーンの慣習??)、押しまくるテンポのエンディングと辻褄を合わせる必要もあったのだろう か。かつて富山のとある高校の吹奏楽団がこの曲を演奏した時、同じようにテンポを倍にしていたことがあったが、ショルティのを真似したのだろうか?

収録された5つの序曲は、いずれもショルティの若さ溢れる好演。スッペのオペレッタ全曲は、もっとやさしい響きなのかもしれないけれど。

ライナーノートには、かつてウイーン・フィルの楽団員が「ショルティの首を絞めてやりたい」とつぶやいていたというエピソードが紹介さ れていおり、それを文字どおり受け取った大学生の当時の私は、「ウイーン・フィルというのは、なんと恐ろしいオーケストラなのだろう」と思っていたことを 思い出した。ちなみにこのLP、新潟大学生協前で行われていた幼稚園のバザーで売られていたもので、300円だったと思う。


04.1.27.

本部ナークニー 山里ゆき(唄) 日マルフクレコードCKF-2(カセットテープ)

Motobu Nakuni
1月の中旬、沖縄旅行に出かけた際、本部(もとぶ)という港で購入した もの。他の数点の沖縄音楽のカセットと一緒に置いてあったが、おそらく地元の人のために置かれていたのではないかと思う。このカセットを購入した後、フェ リーに乗って伊江島観光に出かけた。ニャティヤ洞(千人洞)や湧出天望台など、閑静でのんびりした島の雰囲気を堪能した後、城山(ぐすくやま) 登山をし、そこの土産屋で三線の置物を買った(残念ながら「蛇皮線」という楽器名がこの置物の台には書かれていたけれど)。

確かこの三線の置物がきっかけだったと思うのだが、ここにいらしたおばさんと沖縄民謡の話になった。三線は難しいのかという質問には、「外国人は一週間 で身に付けた」という回答があった。そうなのか。でも工工四(クンクンシー)を読めないとなあ。と、ここでこの方の娘さんらしき人が、おばさんは民謡はた しなみ、なかなかの美声だという話になる(ここ、事の詳細はあやふや)。

その後ちょっと話がそれたところで、おもむろに観光バスに戻り、『本部ナークニー』のカセットをおもむろに取り出して、さらに民謡の話題で盛り上がる。なんでもこのカ セットで歌っている山里ゆきさんは、何度か島を訪れており、おばさんも収録されている歌を全部知っていた。さっそくお店にあったラジカセで聴いてみる。こ の手のカセットは本島に行かないと入手できないと喜んでおられた。歌手の声はとても高いキーで歌われているそうだが(確かにそうだ!)、おばさんは歌詞 カードを見ながら、琉球語で書かれた民謡について、こと細かに解説してくれた。《本部ナークニー・カイサレー》には、様々な地名が折り込まれており、それもこの曲の魅力の ようだ。→参考ペー ジ

沖縄では民謡が生活の中に自然に溢れているのだなあ、と実感させられた一時だった。

なお伊江島の港では『伊江島民謡と舞踊曲』というカセット4巻組(伊江島民俗芸能保存会 [監修]、沖縄民謡企画社 [企画]、キングレコード [制作])も購入。伝統的な民謡だけでなく、ピアノ伴奏による《伊江島婦人会歌》なども収録されているようだ。すごい。


04.1.31.

Rock & Roll (6): Blues in Technicolor. ジョージア州GPTV、1996年7月30日放送

ボストンの公共放送WGBHと英BBCが共同で制作したロック史の番組。全10回のうち、私がきちんと録画できたのは第4回以降のみ。この番組のビ デオは一般発売されていないので、とても残念。もうひとつ似たようなタイトルのシリーズ(『History of Rock & Roll』)もあり、ケーブル局VH1で放映されていたが、ずっと凡庸な内容だった(こちらは市販されている)。「Blues in Technicolor」と題された第6回はLSDの流行に端を発したサイケデリック・ロックの時代を概観するもの。個人的には非常に時代がコンパクトに まとめられていて、サイケデリック・ロックの盛衰がいきいきと分かる素晴らしい内容だと感じている。悲劇的なアルタモン・フェスティヴァルなどの模様を初 めて観た時の衝撃は今でも強烈に印象に残っているし、実験の名の下、あるギタリストがシュトックハウゼンの名前を挙げたのも印象的だった。グレイトフル・ デッド、ジェファーソン・エアプレイン、ピンク・フロイドがクローズアップされていて、ジャニス・ジョプリンの姿を見たのも、このビデオが初めてであっ た。


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