最近見たもの、聴いたもの(28)


2001年3月17日アップロード


とある掲示板に、MIDIとは何かについて、投稿
【333】これって有名な話なのでしょうか?

2001/2/6(火)04:30 -

(中略)

調べてみたら、MIDIというのは、Musical Instrument Digital Interface
の略なんだそうです。ええっとこれを訳すと (^_^;; 楽器のデジタル信号によ
る連結(法)、という感じになるんでしょうか。

【335】ちょっと話がそれてしまってすいません (^_^;;

2001/2/6(火)12:57 - 

わかりにくくてごめんなさいっ。要するに音の高い・低い、長い・短い、強い
・弱い、音色をなんとか数字の組み合わせによって伝達する方式なんですね。
「デジタル」というのは、基本的に数字の組み合わせによるメッセージのやり
とりの方法なので。昔、カラオケなんかでキーを変えると、テープの場合は、
速度も同時に変わってしまうので、例えばキーを低くすると、速度もつられて
遅くなるということになってしまってました。MIDIの場合は、キーをあやつる
数字の組み合わせ(MIDI信号といいます)が速度をあやつるMIDI信号
と別々に操作できるので、キーをかえても、速度は変わらないとい便利なこと
ができるんですね。また、コンピュータの信号ですから、こうやってネットで
送ることもできる。うちのホームページにある、キャプテンのMIDIも、そう
やって、そちらのコンピュータに届くということなんです。

(後略)


2001.2.17.

 電子キーボードを買って以来、急速にDTMというものに興味を持ってきた。しかし、予算がないので、とりあえず、今使っているPower Mac 7600という終わりの近づいている機械で試してみようと、MIDIインターフェースを注文(日本でMIDI Boxといわれているもの)。しかし、カリフォルニアのお店にさえ、すでにシリアル・ポートでつなぐものはなく、世はUSBの時代。でも今日入荷したそうで、来週の半ばには届くようだ。うむ、とりあえず、楽しみ。

アニメ「キャプテン」の主題歌《君は何かができる》は、とりあえずリアルタイムで録音して、楽しんでいるが、どうもクオンタイズしないと、下手っぴなコピー・バンドといった感じで情けない演奏。リズム・セクションがダメね〜。オリジナル曲も2つ入れてあるが、これらの一つは、すでにアップしてある作品4のリアルタイム演奏版。自分のピアノを聴くのはこっぱずかしいものがあるが、あえてやってしまった。もう一つのオリジナルは、約30分で構想した即興的イージー・リスニング曲。テクのない私にとっては、この辺までが限界かな。はやくマックに入れたいなあ。

アニメでは「ジャングル大帝」にもトライしてみたが、電子キーボードについているマルチトラックMIDI録音はたった5つしかトラックがないので、全部のパートが入らないという、情けないことになっている。冒頭部分だけは、グロッケンとコンガを除いて作ってあるのだが。

先日楽譜が届いた、ロイ・ハリス《時の組曲》の第1楽章も、輪郭を知るために、数パートを入れてみた。楽譜通りのテンポでは弾けないので、ゆ〜っくりと。こういうのは便利だなあ。演奏してみると、やっぱりハリスらしい、西部の響き。

来月は、新しいコンピュータを買おうかと思っている。もちろんマックなんですが、今度はノート型。G4は高いので、友人の勧めてくれたG3ミレニアム・エディションにしようっと。ちなみに、今のところ、マックを使っていることで、別段不便は感じていないが、日本ではシェアが落ち込んでいるらしい。まあ、いっか。仕事で必要になるんだったら、その時考えるし。私はウェブというプラットフォームを考えてくれた人を、つくづく尊敬している。


2001.2.21.

電子キーボードにバンドネオンの音色がある。もちろんこれはタンゴで使われるアコーディオンによく似た音色の楽器だ。この音を聴くと、突然弾きたくなるのは、アルフレッド・ハウゼ楽団が録音した《碧空》という曲。祖母によると、物心ついた時から、私はこのコンチネンタル・タンゴの名曲を繰り返し聴いていたそうだ。Blauer Himmelなんていうドイツ語のタイトルを知ってしまうと、「そうか、これはアルゼンチンのタンゴじゃなかったのね」なんて、今でこそ思ってしまうが、私の音楽の原点の一つがこれであることに、間違いはないと思う。偶然1分くらいのサンプルMP3を見つけ、聴いてみたが、本当に、なつかしい。CD、欲しいなあ。童謡も、よく聴いていたらしいけど、さすがにそっちは買おうとは思わない。


2001.2.26.

教授に会って、論文のアウトラインを見てもらう。ラジオのための音楽というのは、必然的に、2つの文化(ハイ・カルチャーとポピュラー・カルチャー、または、ハイブロウとローブロー)のインタラクションになるので、それぞれの文化について、述べなければならない。


2001.3.3

日本人の友人同士が集まって、スシ・パーティー。その後に、必ず歌をみんなでわいわい歌うことになる。町の日本食レストランにあるカラオケは、古い曲ばかりで使えないので、たいていは、ギターを弾く奴がカラオケソングブックを持ってやってくる。次はこれ、あれ、と立て続けに歌う。2手に分かれて、それぞれがそれぞれに勝手に曲を選び歌っていく。はたから見ると、どう考えても雑音。この友人宅にはピアノがあるのだが、こちらでもまた、ちがった音楽が進行。最初はピアノ科の人がバッハやショパンを弾いていたが、私はアニメソングや歌謡曲を。「母をたずねて三千里」のテーマ曲などをピアノで弾いたら、家人がチャランゴを持って参加してきた。なんでもこの曲が好きなようだ。


2001.3.6.
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64 カンポリ(ヴァイオリン)、エドゥアルド・ファン・アイネム指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 米ロンドン LL966(LP)

メンデルスゾーンの協奏曲を、ヤッシャ・ハイフェッツ、アイザック・スターン、ダヴィッド・オイストラフと聴いてきたためか、いつの間にか、骨太で力強いのが、この作品の性格なのだという偏見を抱いていたようだ。このカンポリとファン・アイネムの録音は、興奮度という点では冷めているのかもしれないし、それによる不満がない訳でもない。しかし、作品のやわらかさやしなやかさを感じとらせてくれたことは評価したい。音楽における解釈の可能性を、より広く考えることになったからだ。カップリングはブルッフの第1協奏曲ト短調作品26。ロイヤルトン・キッシュとの共演で、こちらも甘美な音色と、ていねいな弾きこみ方。オケの反応は、こちらの方がやや積極的。

ジャケットの裏には、カンポリのLPが5枚もリストされているが、私がこのヴァイオリニストを聴くのははじめて。

バッハ イタリア協奏曲、半音階的幻想曲、パルティータ変ロ長調、トッカータニ長調 ワンダ・ランドフスカ(チェンバロ) 米エンジェル COLH 71(LP)

グスタフ・レオンハルトのチェンバロを聴いた時も、その重い音色にインパクトを感じたものだが、これはさらに強靭(きょうじん)に響く。そしてイタリア協奏曲の第1楽章の最後や第2楽章における、やや古風でロマン派的なテンポの揺らし方が、独特の雰囲気となっている(トリルが長い!)。レオンハルトも、第2楽章ではテンポを結構ゆらしているのだが、特定の箇所にそれを絞ることにより、アクセント的な色彩が強くなっているのかもしれない。協奏曲の第3楽章やその他の作品では、音色の独創的な選び方に驚く。

ランドフスカLPでは、この他、インタビューを交えた番組を収録したもの、彼女が3声シンフォニアについて解説し、演奏したものなどを入手。いずれも35セント+税という安い値段。図書館にて入手。

モノラルで音はそれほど良くないのだが、それと「古楽器」の組み合わせは興味深い。古楽演奏にも、歴史があることを思い出すことになった。

MIDIの方は、結局現在あるパワーマックと接続するMIDIボックスを購入。これは失敗。もう勉強そっちのけで夢中になってしまったから。コンピュータ内蔵の音源だと、全く楽しみが制限されていたのだと、この時、初めて気付いた。ネット経由でいろんなファイルをダウンロードして聴いてみた。中には「どうやったら、そんなファイルが作れるの?」と、腰を抜かすようなものあり、この世界も奥が深いなあ、と、浦島太郎になった雰囲気である。さっそく「ジャングル大帝」のMIDIを作る(MIDIファイルのページ参照)。

先週のハイカルチャー/ローカルチャーというのは、いわゆる「ソーシャル・スタディーズ」のメインだったんですね。昨日図書館で、認識を新たにしました。今度の『ExMusica』も楽しみ。今日も教授とあって、音楽とテクノロジーの章について、話し合いました。ラジオは当時、最新のテクノロジーだった訳で、その辺の文脈提示をしなければなりません。去年学会で発表した内容も、役に立っています。


一覧に戻る
メインのページに戻る