最近見たもの、聴いたもの(26)


2001年1月24日アップロード


2001.1.17.

バッハ カンタータ《目覚めよと呼ぶ声が聞こえ》、《マニフィカト》 カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ合唱団・管弦楽団 DG 419 466-2(ガレリア・シリーズ)

耳が古楽の方に慣れてしまっている私にとっては重く感じられる演奏。そもそも拍子の感じ方が違うような。もちろんそれが「悪い」という意味ではない。真摯であり、気品がある。でも、やっぱり《マニフィカト》はヘルヴェッヘのノリの方が好みである。アメリカ発売のCD解説には、歌詞もついていないのか。ひどいな。


更新記録には書いてないのですが、実は自作MIDIをアップしてます。MIDIファイルのぺージ参照していただけると分かりますように、アニメソングの項目に、野球アニメ「キャプテン」の音楽をやってます。正確な耳コピーというより、何度も聴いたあと、頭の中に残っているイメージを起こしたもので、勝手にアレンジもしてます。実はアニメ(昔は「テレビまんが」と言っていた)で育った世代なので、アニメ関係の音楽は結構好きなんですね。なぜこの「キャプテン」をやったのかというと、去年実家に帰った時に、久々に同作品のビデオを見て感動したからなんです。それで関連ホームページを見ると、実はこのアニメのサウンドトラックがないということが分かりました。それで、私の未熟な技術とFinaleを使って、チャっちいながらも、それなりに、MIDIファイル作成ということなのです。幸いファンの方には楽しんでいただいているようで、こちらとしては、うれしいやら、はずかしいやら。

学校の練習室のピアノで、ふとアニメの曲を弾くことがあります(おいおい)。よく弾いているのは、例えば「銀河鉄道999」映画版のテーマ(ゴダイゴの歌ったもの。中間部の転調がすばらしい。英語の歌詞のところのコードもいい。)、「海のトリトン」(「に〜じ〜の〜は〜し〜が〜あるのだろ〜」のところのベースラインが最高ですね〜。イントロのコード進行「Dm-G-Bb-Am」もグット)、「グレートマジンガー」(前半がブルース形式なんですね〜)、「ジャングル大帝」(第1作、冨田勲版のもの、これも中間部が素晴しい。冒頭部分に戻ってくる辺りの和音は、最初分からなかった)などです。完全に自己満足の世界で、とても人に聴かせられるもんじゃないですけどね。「天空の城ラピュタ」などもトライしましたが、冒頭の和音はさすがにコピーできなかった。他の方の作ったMIDI信号を楽譜にして、ようやく分かりました。また、主題に入る前のカノンの部分も、ピアノでは弾けないなあ。

今も、これを書きながら、「アニソン」MDを聴いています。今、「カリオストロの城」で歌われた《炎のたからもの》が鳴ってます。これも和音進行が素敵です。もちろんチャーリー・コーセーも参加している、旧作の音楽もいいんですが(あのBGM集もいいですね〜)。調性的な面白さでは「宇宙戦艦ヤマト」。冒頭からメジャーかと思うと(Ebのドミナントですからね)、マイナーの歌(Cm)になる。そこでも、微妙にメジャー、マイナーの和音が混ざってくる。最後「ヤーマートー」とこは、Ab-Bb-Cと平行に行くだけなのに(最初のBb-Gm-Cもそれなりにですけど)、インパクトがある。それに続くスキャットも、最初はメジャー、そして2題目につなぐのにマイナーと、やっぱり揺れるんですね。本当はデスラーのテーマのオルガンも良いなあと思いますけれど。変奏曲としては、結構よく書けてません?

リムスキー=コルサコフの《シェヘラザード》に、「タイガーマスク」のエンディング・テーマの旋律に似たようなのがありませんか? いつも《シェヘラザード》聴くと、気になってしまう。

アニメ以外だと、例えばちあきなおみの《喝采》なんていいですね〜。古い歌ですが、あの独特のシンコペが聴かせます。「大江戸捜査網」など、ピアノではとても再現できませんけど、あれもかっこいいですよね〜。CHAGE & ASKAの「SAY YES」のコードも、難しいところがあって、カラオケ本のコードを必死に覚えたなあ。いかん、なんかどんどん浸ってしまう。この辺でやめておこう。


2001.1.18.

ブラームス ドイツ・レクイエム カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウイーン・フィル他 DG 423 574-2

この作品は、ただぼ〜っと聴いていると、通り過ぎていきそうだ。しかし、よく歌詞を味わうことが第一、そして、いろいろ疑問を持つようになった。自分の無知を知ることになった。ブラームスがなぜ、ラテン語のレクイエム・ミサのテキストを使わなかったのか、なぜわざわざ聖書から多くを借用して自分なりの信仰の流れを作りだしたのか、どのような機会でこれが演奏されたのか、どのような社会的な意味を、当時持っていたのか、ミサ曲の歴史の中で、どのような位置付けをされるべきなのか。もちろん歌詞と音楽の相関性の問題(テキスト・ペインティングなど)についても議論されるべきなのだろう。しかし、ブラームスの聖書の知識というのも、すごいものだ。いや、自分の無知を恥じるべきだ。


2001.1.19.

ヘッドフォンが壊れてしまったので、Best Buyという電化屋に買いに行った。ソニーのスタジオ・モニターというのが100ドルで売られていて、日本製だったので、買おうと思ったが、やはり値段でたじろいでしまった。結局となりにあった、アイワの30ドルのにする。弱い (^_^;; でも、論文が終わったら日本に帰るつもりだし。う〜ん。

で、どうせ何も大したものは売っていないだろうと、CD棚を見てみると、ティルソン=トーマスのコープランド3枚組CDが15ドルで売られているではないか。2枚の値段で3枚分のはずなのに、1枚分の値段だ。数セット置いてあったが、どれも15ドル。お店の人、分かってんのかな〜? で、安いので、買ってしまった。

午後はラジオ放送のテープ作り。20分以上の長い曲は今回初めて収録。ウケるかなあ?


2001.1.22.

ガリーナ・ウストヴォルスカヤ3 (ピアノ・ソナタ第1〜第6番)マリアンヌ・シュレーダー(ピアノ)スイスHat Art CD 6170.

私の知り合いの、元作曲科の友人に、以前、ウストヴォルスカヤのCDを貸したところ、あまり気に入らなかったらしく「これは『叩き屋』だ」と言われたことがある。なるほど。そんな感じもしないではない。ピアノでは多少その叩く感じが薄れるが、強いタッチが前面に出るところも、確かに少なくない。 オスティナートが曲をリードしているようでいて、一方で密かに対位法的なところもあるのだけれど。音色的コントラストが面白い第5・第6が好き。

バッハ マタイ受難曲 フィリップ・ヘルベッヘ指揮シャペル・ロワイヤル他 ハルモニア・ムンディ・フランス 901155.57

以前はアリア中心に聴くことが多かったんですが、今日は聖書のテキストの部分を中心に、つまみ食い(ごめんなさい)。しかし、この曲は涙なくしては聴けません。ヘルヴェッヘのような軽めの演奏は、人によっては抵抗があるんでしょうけれど(昔、『レコ芸』では、えらく評判が悪かった)、私はこういうので刷り込まれている方なんで、それほど違和感ないですね。もちろんアーノンクールのような厳しさもあっていいと思いますが。

(2000.1.25.追記)最近録音した新盤は聴いていない。


2001.1.23.

『ExMusica』第3号の片山杜秀さんの連載を読む。そこに深井史郎さんが日本テレビの放送開始の音楽を作ったとある。あの音楽が好きな私にとっては、作曲者が分かってうれしい情報だった。あの鳩も抜群なんだが、音楽も実に印象的だと思う。今思うと、なぜか、アジアだなあって感じがする。そういえば私は、日本テレビに限らず、放送開始の音楽というものに、変に興味を持っていた時期があった。小学生の終わりから中学に入るころだったと思うが、ラジカセで、テレビの放送開始音楽を朝、早起きして録音したものだった。特に親戚の埼玉の家に泊まったときは、上記日本テレビを含め他の局の音楽も逃さず録音しようと、前日に新聞をチェックしたものだ。当時はTBSの放送開始も、あの銀色の玉が動く映像とともに、印象に残ったものだ(これが終わった後、ロケットが打ちあがるのも好きだったのだが)。新潟では、BSNの放送開始が面白かった。音楽は大したことなかったかもしれないが、絵がなんとも時代がかっていたのだ。特に印象的だったのが、あの大きな唇( (^_^;; 見たことのある人は何のことか分かると思う)。NT21は、何といっても「はたちになったら21」という歌。これは確か、この放送局が20周年を向かえるころは21世紀という意味だったと聞いていたのだが、もう21世紀になってしまったようだ。BSNはワルツじゃなかったかな。ワルツというのはヤラれた、と思ったものだ。富山は富山テレビが、昔、映画「スペンサーの山」のテーマ音楽を使っていた(イノック・ライト楽団のもの)。やっぱり富山とくれば山だったのだろうか。あの音楽も好きだ。実際ボストンでLPを見つけて買ったし。実家にも同じLPの国内盤があったのだが、幼いころにさんざん聴いて、傷をつけてしまい、とても普通のプレーヤーではかけられなかったからだ(ちなみに幼い頃によく聴いた、他のレコードは、アルフレッド・ハウゼ楽団のタンゴのレコードだった)。

そうそう、ニュース番組のテーマ音楽も好きだったなあ。テレ朝系の「パッパヤ〜」とスキャットの入るのを聴いた時は、テレ朝系のない田舎に住んでいた一少年にとっては大ショック。ニュース番組のテーマに声を入れるものなのか〜、という。ところでニュースの音楽というのは、今の日本はそれほどでもないが、どうも昔はモールス信号のピピピ、ピピピピピ、といった音をモチーフにしたようなものが多かったように思えてしまう。アメリカでもCBS(これもかっこいい音楽だなあ、誰が作ったんだろう?)やNBCは、この面影を持っている。


2001.1.24.

シェーンベルク ピアノ作品集 マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ) ドイツ・グラモフォン 432 249-2

久しぶりに聴き返す。しかし、シェーンベルクの演奏で、これだけ緊張感があり、興奮できるものも、そうそうないかもしれない。本当に面白い。ポリーニが最も脂の乗っていた時にこれらを録音しておいてくれたのは幸いということだろうか。


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