音楽雑記帳(27)



ロサンゼルス音楽メモ
2001年1月17日、2月11日アップロード



10月から11月にかけて、日本に一時帰国していたのですが、タラハッシーに帰る際、ロサンゼルスに寄り道してきました。ロイ・ハリスの専門家、ダン・ステーマンに、論文で扱うハリスの作品《時の組曲》について、いろいろお話しをお伺いしようと思ったからです。しかし、その他にも音楽・芸術関係で買い物したり、刺激があったりしたので、とりあえず書いてみたいと思います。

まずは音源収集関連。

ロス郊外のメルローズ・アヴェニュー(かつてはファッションの発祥地だったそうですが)にRecord Collectorというクラシック/ジャズの専門店があるそうです。しかしバスのアクセスは面倒くさそうなので、やめました。結局Highland Ave. にあったAron's Recordsというところに行ってきました(どちらも『地球の歩き方』に載っています)。ここはポピュラー系が大半なのですが、一角がクラシック中古LPの置き場になってまして、ここではモートン・グールドのBurchfield GalleryとApple Waltzes(1ドル99)、NonesuchのNew Music for Organ(BolcomのBlack Hostがはいっているもの)(1ドル99)、ミクロシュ・ロージャのジャングル・ブックとバグダッドの盗賊(RCA Victor 99セント)、Paul ChiharaのSymphony in CelebrationとMissa Carminum(Candide-Vox、1ドル99セント)なんかを仕入れてきました。値段が安いし、盤質が良いのがうれしいです。

タワーは、結局ハリウッド通りにあるクリアランス・センターに行きました。Argoから出ているThe American VirtuosoといCDを買いました。ビーチ、マクダウェル、ガチョークなど、19世紀末の作品を中心に、グレンジャーも数曲入っています。その他、地元LAのProtone Recordsというレーベルの、An American Collage Vol IIというのも買いました。マクダウェル、ブルレイ、コープランド、ガーシュインなど、これも19世紀から20世紀初頭までのアメリカ室内楽ですね。アメリカ以外では、ビーバーの《戦争》の入ったアーノンクールCD、バルトークの自作自演(コントラスツとミクロコスモスの入ったMasterworks Portraitのもの)などです。いずれも値段が5ドル99でした。

ここにはモートングールドの指揮したFall River LegendとDeclarationなどが入ったRCAの廃盤CDもあったのですが(やはり5ドル99)、私はすでにニュー・オーリンズで買ったので、やめました。

LAで収穫だったのが、書籍類でしょうか。ボストンなんかより、欲しい本がたくさんあって、大量に購入しました。ある古本屋では、お店の人が音楽家の肖像画が奥で見つかったので買わないか、と言ってきました。7枚で50ドルという良心的値段で、オリジナルなので、買ってきてしまいました。もちろん、送ってもらいましたが。

図書館には結局行かなかったのですが、現代美術館や日系米国人博物館には行ってきました。前者は、別館が面白く、下ネタばかりのアーチストの爆発したアートがよかったです。本館売店にはフルクサスのビデオなどもあったので、買ってきました。いや〜こんなのがあるから、美術館の売店もあなどれない。

後者では、やはり日系の音楽関連、CDやビデオを仕入れてきました。リトル東京には、文化堂というレコード屋さんもあるのですが、ここは、演歌のカセットやアニメのLDを中心とした日本発売のものばかり。日系人の音源は一つもないようです。ちょっと悲しいですね。

最終日は、ハリス研究家のダン・ステーマンと、ホテルで3時間くらい話し込んだあと、彼の行きつけのレストランに連れて行ってもらいました。日本食なのですが、経営人が中国系・ベトナム系で、その中国人もフランス料理を身につけてきたという変わり種。結局ヒレ肉のステーキをご馳走になってきました。

すっかり気に入ってもらったようで、資料のコピーなども送ってくれるそうですし、これを機に、LA訪問の時は、訪れるように言われました。なんでも公立図書館には、ハリスが、かつて監修したLPレコード(非売品)もあるそうで。今度は、そういうところも狙ってみようと思います。



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