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Newsgroups: fj.rec.music.classical
Date: Tue, 4 Apr 1995 15:23:33 +0000
谷口@フロリダ州立大と申します。はじめまして。
現代音楽のお好きな方もいらしゃるようですね。私も20世紀音楽は前衛・保守にか かわらず好きです。
せっかくアメリカから書いているのでアメリカの話題(といってもちょっと古い) をお届けしましょう。
ギャバン・ブライアーズの<Jesus' Blood Never Faild Me Yet>はPointレーベ ルから、たしか1年半ほど前に発売されたと思います。
CD発売当時私はボストンにいて、語学を勉強していました。夜になると現代音楽だ けをながす番組があって毎日楽しみに聴いていました。
そんななか、<Jesus' Blood Never Faild Me Yet>が何の予告もなく流れたので す。始めの部分を聴いたときは、「なんじゃこのダミ声は」と思いましたが、それ がだんだんと美しく変化されていくのがものすごく印象に残りました。
視聴者からの反応もよかったらしく、後日再びながされました。
ここまではよかったのです。しかし問題はこの曲の<全曲>が流されたときです。 といいますのも、それまで流れていたのはラジオ用に特別にエディットされたバー ジョンで、すべての過程が6分位で終わってしまうからなのです。
ご存じのとおり全曲版CDを全部聴くと1時間10分くらいですよね。あれ、全部流 しちゃったんです。
短い解説のあとさてCDが流されました。私もその時全曲を聴くのは初めてだったの で、「いったいどんな曲なんだろう」と思っていました。
「うーんいつまでも同じだー。」
聴き初めて10分ぐらいたって、BGMにでもしようと思ってラジオを放ったらかしに しました。
そして45分後、いきなりアナウンサーが割り込んできて…。
「なんだ非常事態か?」と思ったら、「視聴者の方から、レコードの針が進んでな いという電話が殺到しています」、とのこと。アナウンサーはその場を取り繕うよ うにこの曲をもう一度解説し、結局そのあと残りの30分ほども流しきってしまっ た!
このことが原因かどうかは分からないんですが、番組のホストもこのことがあって 2週間後にやめてしまいました。またその番組自体も結構人気が高かったのに、そ の後1ヵ月ちょっとで終わってしまいました。
ということで、この曲には特別な思い出があります。結局全曲版のCDも、CDシン グルも、初めての放送で使われたSpecial Radio EditのCDも買ってしまったので す。
(中古屋さんに放送局からのCDがよく流れます。上記Special EditのCDの他にも フィリップ・グラスがNonesuchのプロモーション用に、自分の曲を解説したCD や、ジョン・アダムスが<クリングホッファーの死>について語ったCDを見つけま した--ボストンご滞在のさいにはKenmore Sq.のPlanet Recordsを覗いて見てく ださい)
その後、日本に帰った友人から「<Jesus' Blood Never Faild Me Yet>は話題に なってたよ」と聞いたのですが、本当ですか? さすがにNHKではこの曲、流せな かったでしょうね。