音楽雑記帳(1)



楽譜が欲しい!(1997年12月23日)

Pepper Musicで楽譜を買った。最近やっとネットスケープの安全モードが使えるようになり、安心して注文できるようになったのだ。早速だが、前から欲しかった吹奏楽の楽譜を2つ注文したら、1週間ばかりで、そのうちの一つがとどいた。アトランタに支店があるようなので、とてもはやい。日本からだとどうなんだろう。ただ1ドル50セントの手数料が一点ごとにつくのは、ちょっとこまるけれど。やはり出版者に直接頼むのが一番のようだ。

先日はドーヴァー社から楽譜が届き<エレクトラ>、<ペリアスとメリザンド>、<狐>+<兵士の物語>(ストラヴィンスキー)などを送ってもらった。最近はショスタコの交響曲やブルックナーの4+7というのもでているみたいだ。多くはアメリカ国内のみの発売のようだが。税金がかからないからゴキゲン。

Theodore Presserというところからも楽譜が届いた。ウィリアム・シューマンの7, 8, 10番、セッションズの7番(ArgoからCDも出ました)などを買った。デュランド社の楽譜なんかも扱っているようなので、またトライしてみるつもりだ。残念ながらフランスの楽譜はアメリカで買っても高価だ。

Kulmus社からも楽譜をかった。現在レポートで、19世紀アメリカ音楽をやっているので、チャドウィックやペインの楽譜を仕入れる必要があったのだ。会社はフロリダ州にあるのだが、「うちは税金をいただきません」ということで、とても助かった(アメリカは通信販売の場合、事務所が同州にある場合は州の売げ税を払うことになっている。フロリダは7%。事務所がない場合税金は一切かからない。アメリカで通信販売がはやる理由の一つだろう)。しかもレシートには10%引きと書いてあった!

このレポート、絶版の楽譜を扱うこともあり、他の大学から楽譜を取り寄せてもらうことにもあった。お陰様で19世紀後半の主要な管弦楽曲が、かなり集まった。最近アメリカの主要な図書館の蔵書が一覧できるデータベースができ、タイトル・著者・キーワードを入れると、録音や自筆譜、楽譜や書籍も含めたあらゆる媒体の資料が即座に検索できる。別のデータベースでは、雑誌に絞った資料検索ができるようになっていて、これもタイトル・著者・キーワードを入れれば、それらを扱っている雑誌記事が簡単に引き出せるというわけだ。大学内にない場合は、Interlibrary loanという 事務所にEメイルを送れば、所有図書館を探して、取り寄せてくれる。なんと便利な時代になったのだろう。今回は楽譜で、チャドウィック作曲の、<リップ・ヴァン・ヴィンクル>、<メルポメネ>などが入手できた。これらの曲はヤルヴィが録音している(カップリングはトンプソンの交響曲第2番)。ところでこのデータベース、皆さんにも紹介したいところだが、大学所属の人しか使えないことになっているので、あしからず。

その他ペインという人の<春に>という曲の楽譜も手に入ったが、これがなんと1880年の初版で、コピーをとるだけで(あくまで研究用ですよ!)、ページがパラパラと落ちてきたり、端の折れ曲がったところが、パキパキと割れたり、もうそれは恐ろしい体験だった。普通この手のものはマイクロフィルムなのだが、送り手の図書館の配慮が足りなかったのだろう。来たときは新品同様だったが、返す時は、それはもう無残な姿になった。

出版されていない楽譜も手にいれなければならなくなって、イエール大学やニューイングランド音楽院にメイルを送った。後者からは自筆譜のコピーが届き、前者からはマイクロコピーが届くことになっている。これは大学によって全く対応が違うので、入手先に早めに問い合わせる必要がある。

そんなわけで、いま楽譜をセコセコ仕入れている今日この頃である。


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