ジョン・フィリップ・スーザの音楽

ジ・オール・アメリカン・スーザ
キース・ブライオン指揮ニュー・スーサ・バンド、ジョン・フィリップ・スーサ・バンド
米Delos DE 3102

1. The Glory of the Yankee Navy.  2. New York Hippodrome.  3. Solid Men to the Front!  4. Sabre and Spurs.  5. The U.S. Field Artillery March.  6. The Pride of Pittsburgh.  7. The Free Lance.  8. Semper Fidelis.  9. The Royal Welch Fusiliers.  10. Untitled March (1930).  11. Nobles of the Mystic Shrine.  12. Jack Tar.  13. The Stars and Stripes Forever

14. John Philip Sousa Speaks [Broadcast].  15. Stars and Stripes Forever [Broadcast].  16. Nobles of the Mystic Shrine.  17. Dauntless Battalion.  18. Sabre and Spurs.  19. Solid Men to the Front!  20. Liberty Loan.  21. The U.S. Field Artillery March


21あるトラックのうち、最初の13がブライオン指揮の演奏。《忠誠》や《星条旗よ永遠なれ》の他は、あまり日本で馴染みのない作品が多く収められている。

しかし、おそらくこのCDの「目玉」は、スーザ自身が自分の名前をスーサと言ったNBCのスピーチの録音と、彼の指揮したマーチの数々だろう(ただしこの《星条旗よ永遠なれ》も、スピーチの部分とは録音が別ではないかとCD解説書にはある)。このスピーチに関しては、海兵隊軍楽隊のスーサ全集にも収められていて(演奏部分は海兵隊の新しい録音)、NHKの『ブラスのひびき」でお聴きになった方もいらっしゃるのではないだろうか。スーザのコメントは、解説書に文字化されているので、内容については、辞書を引きながらゆっくり知ることも可能。

筆者は残念ながら、スーザが式典などで演奏したテンポは知らないので何ともいいにくいのだが、ブライオンのもスーザのも、やはりコンサート向けの速めのテンポだと思う。これは海兵隊のCDが割とゆっくり目で、それが作品の機能的な面を考えて、より適切ではないかと私が推測しているから だ。

なお、スーサのコメントの件も加えて、ポール・ピアリーによるCD解説書は情報量も多く参考になる。彼のスーサ伝記は残念ながら現在入手が困難だが、スタンダードな一冊として有名だ。(01.11.2.)


双 頭の鷲の旗の下に:ジョン・フィリップ・スーザのマーチ
Pearl GEMM CD 9249

1920年代を中心に録音されたスーザ・バンドの全録音に、その他の歴史的演奏を加えたCDで、アメリカでは一時期話題になった。タイトルの<双頭の鷲の旗の下に>はJ. J. ワーグナーの行進曲で、これ以外の24曲はすべてスーザの作品である。

収録されているスーザ・バンドの録音だが、すべてが作曲者スーザ指揮という訳ではなく、むしろその他の指揮者の方が多い。また代表作<星条旗よ永遠なれ>も、スーサ自身が自分を(スーザではなく)スーサと名乗って作品を解説したあと演奏したラジオのトランスクリプションがあるのだが、それはこのCDには収録されていない。

演奏はアップテンポ気味でリラックスしているところに好感が持てる。しかし海兵隊軍楽隊に慣れた耳には、もう少しエッジがほしいところだ。

ライナーによると、保存状態の良いマスターを探すのに苦労したらしく、スピード補正も行われているようだ。(1998.8.2.)

マー チ王スーザ指揮による自作のマーチや名曲の数々
Legacy CD 462

演奏バンドが明記されていないし、録音年代も不明という不親切なCD ジャケ。しかしスーザの演奏はそれほど悪くない。ただし実際の行進用というよりはコンサートでの演奏のテンポだと思う。音の方も雑音はないが、高音域はや やカットされていると思う。それゆえ、ややダンゴ状になってしまうきらいはある。スーザのマーチについては、最近海兵隊がSousa Originalsというアルバムを2枚だしたようなので、そちらを聴いてみるつもりだ。この自演CDは歴史的な資料になるはと思うが、個人的にはあまり 勧めない。ライナーをせめて何とかしてくれれば考えるけれど。10ドルも払ったのに。(1999.4.17)


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