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2007年5月 1日
アニメ『ジパング』を観ました
海上自衛隊のイージス艦「みらい」が、米軍海兵隊との演習のため真珠湾へ向けて出航したが、ミッドウェー沖合で突如嵐に巻き込まれ落雷を受け、ミッドウェー海戦直前の1942年6月4日の太平洋上に突然タイムスリップしてしまうという物語。いわゆる「歴史のIF」である。
最初はナショナリズム的な匂いがして嫌だったが (「同じ日本人だから」というセリフが、どうしても頭から離れない) 、戦争のまっただ中に飛び込みながら、専守防衛を遂行する自衛隊として救命活動に専念しようという姿勢に感動させられる。もちろんこれは、専守防衛と戦争という2つの価値観を意図的にぶつからせる設定なのであり、「同じ日本人」で、軍艦と殺戮兵器を持ちながら、その背後にある政治情勢や社会から生まれる違い (軍艦/護衛艦、軍人/自衛官など、言葉にもそれは現れている) を提示したものだといえる。確かにナイーヴではあるけれど、最終的に時代に打ち勝つ事のできない不甲斐なさを実感すること、あるいは時代の諸価値観・戦争観の違いを浮き立たせるためには、これくらい引っ張らなければならないのだろう。
また、自衛隊員たちが実際に殺戮行為をしていなかったことから生まれる葛藤というのは、「集団的自衛権」の欺瞞に巻き込まれた時の彼らの境遇を察するのには充分すぎるほど充分であり、こういった窮地に自衛官を追い込むような未来を作っては絶対にいけないと思う。
Historyとstoryの違いは何か、と言われることがある。かわぐちかいじ氏の漫画にもとづいたこのアニメは、明らかに虚構だけれど、その虚構からも学ぶことが多くあった。
非常に重い主題を扱っており、何度も立ち止まって考えさせられる作品であった。
私が感じた難点は、最終話が「つづく」であり、また、その幕引きがあまり鮮やかでなかったことである。しかし、そこまでの話でも、すでに充分完成度があり、続きは原作でどうぞ、ということなのだろう。
この作品を観ながら、『我、自衛隊を愛す故に、憲法9条を守る―防衛省元幹部3人の志』という本が最近発刊されたのを思い出した。あるBlog記事によると、著者の一人である箕輪登氏は「護憲タカ」なのだそうだ。しかし自衛官が憲法第9条を失うことに強い抵抗を感ずるというのは、むしろ当然のことであると思う。命の大切さを誰よりも知っている人たちが彼らであると思いたい。いつか手に取ってみたい本である。
投稿者 amekura101 : 2007年5月 1日 11:46