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2007年8月19日
第38回 富山室内合奏団定期演奏会
2007年8月18日 (土) 18:30ST、富山県教育文化会館
・コレッリ:合奏協奏曲ト短調 作品6の8《クリスマス協奏曲》
・ヴィヴァルディ:協奏曲集作品3《調和の霊感》から2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 RV. 565、作品3の11
・ヴィヴァルディ;3つのヴァイオリンのための協奏曲ハ長調 RV. 551
・ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲ト短調 RV. 531
・モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K. 364
・グリーグ:組曲《ホルベアの時代より》作品40
富山室内合奏団の演奏会は、いつもアットホームな雰囲気で、「コンサート」と呼ぶにはインフォーマルなところがあるけれど、どうしてなかなか、富山の演奏会の中では、確かな技術に裏打ちされた聴きごたえのある、ボリューム感たっぷりの内容である。コレッリの《クリスマス協奏曲》の独奏を担当した中1・小6の石見香保梨、瀧京奈のコンビからして、音楽を聴かせる意識を感ずるのである。
この合奏団が、特定の音楽教室に関係しているかどうかは知らないのだが (大澤明氏の人脈であることは確か) 、基本的に弦楽器アンサンブルであり、取り上げる作品によって、適宜賛助の演奏者を入れるという体制で出来上がっているようだ。
今回の一番の聴きどころだったモーツァルトの協奏交響曲変ホ長調K. 364においても、オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーや、ギドン・クレーメルのアンサンブルのメンバー (なぜ当地にいるのか等の詳細は不明) が加わり、楽団員にも良い刺激になっただろうし、演奏にも締まりがあった。ヴァイオリンの竹中のりこは、私も企画に参加しているショスタコーヴィチの弦楽四重奏連続演奏会で、すでに実力を目の当たりにしているが、安定した弾きぶりの上に熱があり、第3楽章でのリードには目を見張るものがあった。ヴィオラの内山隆達 (楽団OB) は第1楽章こそやや「走る」傾向があったが、次第に流れの中にうまく収斂していくようになり、さらに竹中との絶妙なコンビで聴衆を圧倒した。
ヴィヴァルディの3つのヴァイオリンのための協奏曲は、はちきれたような3人の「競演」も楽しく、作品としても大いに楽しませてもらった。各独奏者がそれぞれの腕を生かし、「三大テノール」のように旋律を分け合って歌ったり、デュオ+サポートという組み合わせになったりする。第2楽章では、3人がアルペジオ、ピチカート、旋律という役割分担を行ない、これにコンティヌオが加わるという、ヴィヴァルディの実験的な試みも体感できた。
同じくヴィヴァルディの協奏曲集《調和の霊感》からの2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲では、中佑 (高1) と八坂友実子 (中3) 、それに大澤明という組み合わせ。中はキューの出し方に多少ためらいがあったようだけれど、楽団全体に、この若き独奏者をサポートする暖かさが感じられ、好演につながった。
いっぽう、技術的にも音楽的にも関心を持ったのは、高田剛志と大澤明による、ヴィヴァルディの2つのチェロのための協奏曲であった。とくに緩徐楽章においては、瞑想的な静寂の中に聴き手がぐっと誘い込まれ、音楽によって構築された時間が、会場を満たしていたのが印象的だった。大澤氏の恩師高田哲夫氏を偲んで演奏されたようだが、言葉にできないメッセージが、きっと届いたことだろう。平井み帆 (チェンバロ) のセンスも光っていた。
このように、富山の地元に根付いた優れた楽団は、もっと知られて良い。毎年定期演奏会が行なわれているので、来年はぜひ、多くの聴衆が訪れることを期待したい。
投稿者 amekura101 : 2007年8月19日 12:14
コメント
富山室内合奏団の次回の演奏会の日程を教えてください。また、いつもどこで練習しているのかも知りたいです。
投稿者 吉田 正 : 2007年12月 3日 10:14
>吉田さん
コメント、ありがとうございます。また、ブログ管理の都合で、コメントを表示できずにいました。申し訳ありません。
富山室内合奏団の詳細について、私はよく存じ上げないのですが、だいたいいつも、夏から秋にかけて、定期演奏会が行なわれているように思います。また主催者から通知がくれば、このブログで紹介したいと思います。
練習場所については、残念ながら存じません。大澤明さんがリーダーですので、一度伺ってみます。
投稿者 amekura101
: 2007年12月20日 17:05