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2006年3月16日
[Books] Music Downtown/Mancini Autobiography
Gann, Kyle. Music Downtown: Writings from The Village Voice. University of California Press, 2006.
自らニューヨーク・ダウンタウン・ミュージックの権威であると自負するカイル・ガンの著作集です (ここに書かれているように、Bang on the Canとジョン・ゾーンを知るファンからは、彼の「ダウンタウンを代表する作曲家」の選択には疑問が投げかけられているそうで、ガンはそういう意見を非常に強い調子で叩いています) 。12人のアーチスト (アシュリー、小野洋子、グラス、ブランカ、ラウスなど)へのインタビューと、各種エッセイ/レビューから構成されています。ただインタビューとはいっても対話形式では書かれておりませんで、エッセイ本文に組み込まれた形になっています。もともとはジュリアス・イーストマンの情報を得ようと注文した本ですが、『レコ芸』の締切には間に合いませんでした。まあ、でも、そのうち役に立つでしょう。
Mancini, Henry. Did They Mention the Music?: The Antobiography of Henry Mancini. Ed. by Gene Lees. New York: Cooper Square, 1989.
ディズニー・アニメ『オリビアちゃんの大冒険』を担当したということで、何か情報がないかと入手したヘンリー・マンシーニの自伝です。しかし言及はありませんでした。こちらも空振り。でもまあ、こちらも後に役に立つでしょう。実は先日『ティファニーで朝食を』を観ました。私も一応NYのティファニーの前は通ったことがあります。もちろん中には入りませんでしたが (^_^;;
ところでマンシーニは自分の映画音楽の著作権をスタジオに渡さなかったそうですね。なんでも自分で自由にアレンジすることを考えていたのだとか。『ティファニー…』の「サントラ」というのも、いわゆるスコアではなく、別録りのソング・アルバムだそうで、ヘップバーンの歌も入ってないそうです (マンシーニ最大の後悔なんだとか) 。で、自伝を読んでいたら、面白いですね。例の《ムーン・リヴァー》というのには、《ブルー・リヴァー》というタイトルも考えられていて、結局他にも同名の曲がたくさんあるからやめたそうです。《ムーン・リヴァー》というのにも、シンシナティーに同名のラジオ番組があるそうで、マンシーニは気になったそうですが、Johnny Mercerと相談して、歌のタイトルじゃないということで問題なしと考えたのだとか。へえ。それにマンシーニはヘップバーンの歌唱力を知らなくて心配したそうですが、フレッド・アステアと出演した映画 "Funny Face" を偶然テレビでみて安心したんだとか。あと、映画の試写を観て長過ぎるということになって、どこを削ろうかという議論になったところで、パラマウントの社長が「このクソみたいな歌はカットすべきだ ("Well, the f-- song has to go." 一部修正=筆者) 」と言ったとか。うわ~、カットしなくて良かったっすね。監督のブレーク・エドワーズも怒り心頭の様子だったそうで。ヘップバーンも体を乗り出していたとか…。
ただ、他の本を読んでたら、マンシーニが亡くなった時、ハリウッドはあまり彼のことを大きく取り上げなかったらしいですね。ラウンジ・ミュージックの人だとかソング・ライター、みたいな印象だったのかなあ。それとも映画音楽界も、案外スコア・コンポーザー>テューンスミスみたいな考え方してるんでしょうか。
ということで、2冊ともそれなりに面白そうなので、買ってよかったなあ、と思うことにしました。
投稿者 amekura101 : 2006年3月16日 21:22