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2007年8月21日

シフのバッハ

バッハ イタリア協奏曲、フランス組曲第5番、フランス風序曲 アンドラーシュ・シフ (ピアノ) Vanguard Classics ATM-CD-1893 (http://ml.naxos.jp/?a=ATM-CD-1893)

 対位法によって書かれている楽曲においてピアノに有利なのは、特定の声部を、アーティキュレーション (レガートなど) だけでなく、まさにダイナミクスの面からあぶり出せることではないだろうか。細部まで耳が行き渡る奏者であれば、この特性が生きて来る。

 遊び心いっぱいのイタリア協奏曲など、その好例だろう。協奏曲というのは、何しろヴェネツィア楽派のコーリ・スペッツァーティに端を発しているのだから、コントラストを付けること自体が音楽の醍醐味でもある。しかし、テラス式ダイナミクスを、時には数音の単位にまで適用させ、思わぬフレーズの発見をさせているところに、シフの演奏の魅力があるように思う。

 舞曲を中心とした2つの組曲にしても、その特質は変わらない。中には、よりホモフォニックな作品があり、そこではピアノの生み出す音色の統一感が、和音としての塊を、旋律声部から際立たせているように思う。

 また、大きな音でやると途端に作品の品位が失われてしまいそうなところは、ピアニストに、よりシビアなコントロールを要求するように思う。何しろ最弱から最強までの間に無限のダイナミクスのスペクトラムがあるのだから、その中から、音色に耳をそばだてながら進めていかねばならないのだろう。もっとも伴奏 vs. 旋律というのは、ピアノの方が得意にするテクスチュアなのかもしれない。

投稿者 amekura101 : 2007年8月21日 20:49

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