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2005年8月23日
マリオ・ランツァ
村山一雄さんからマリオ・ランツァの資料をお借りする。オペラ歌手としての経歴はないままに他界してしまったらしいけれど、もしオペラ・デビューしていれば、間違いなく今世紀最大の歌い手になっていたのではないかと思わせるほどの声である。
ただ、CDになっている曲目は、ゆったりとしたテンポの曲が多く、例えばヴェルディのオペラのような、「甘美な声」だけでは通用しない演目だと、どれほどドラマティックな表現ができたか、あるいはどれだけ聴衆を心理的に惹きつけることができるか、という疑問が完全になくならないのも事実である。
それでも、当たり前といえば当たり前だけれども、カレーラスやドミンゴとちがって米語のディクションが完璧なのはすごい。
この機会に彼について調べてみようと、図書館で事典・辞典を引っくり返したが、日本語の情報は案外すくない。パッと見たところ、音楽之友社から出ている『名演奏家辞典』が一番充実しているようだ。結局後学のためにと、アメリカで出版された伝記 "Mario Lanza: Singing to the Gods" を取り寄せてみた。MGMのミュージカル映画『学生王子』(ジグムント・ロンバーグ作曲)の "Beloved" の歌い方に監督から注文がつき、自分の歌に多大な自信を持っていたランザ
(ランツァ)が猛烈に怒って撮影に来なくなった(結局他の人が演技したんだったかな)というエピソードなど、面白かった。そのボツになった "Beloved"は本家RCAとは別のレーベルから出ていたものの、権利関係の問題で、とっくに廃盤。入手困難のようだ。残念。
現在Web-criの記事、無署名原稿などに従事。
投稿者 amekura101 : 2005年8月23日 15:10